原作・宮本ぺるみ 漫画・宮本ぐみの本『自殺遺族になっちゃった!!」を図書館から借りて読みました。
夫の浮気が原因で、離婚を協議中だった2児の母親が主人公。
その元夫が賃貸の部屋で縊死したため、思わぬトラブルに巻き込まれる実話です。
賃貸の損害賠償について勉強になるので、レビューします。
スポンサーリンク
自殺遺族
宮本ぺるみさんは、宮本ぐみさんの妹。
別居して、協議離婚の話し合いの最中でした。
原因は夫の浮気。
夫は会社の部下と不倫関係で、妻のぺるみさんにばれた。ですが、離婚をしたくないとごねたのです。
ようやく応じて、「離婚届を書いておくから、明日の朝9時に取りに来て」と、元夫から電話。
ぺるみさんは、自分で行くのは気が進まないため、実母に依頼。
そして、実母が娘婿の縊死現場の第一発見者になる……。
救急搬送されますが、亡くなったのです。
事故物件
遺族が混乱するなか、すぐにぺるみさんに不動産会社から電話がはいります。
「契約中のマンションの管理会社です。
大家様から事故物件の報告がありました。
損害賠償やその他を含めて1千万円、ご請求いたします」
衝撃の上にショックが重なり、だれだって呆然としますね。
わが家は娘が大学時代の部屋を出るにあたり、大家から追加の請求をされたことがあります。
不動産トラブルは多いのでしょう。
それにしても、ぺるみさんに対する請求は、莫大です。
内訳
- 大家への慰謝料
- 物件内の掃除
- 次の入居者が決まるまでの家賃の負担
弁護士の見解
葬儀は夫の実家で執り行われ、ぺるみさんと子ども、実親は参列しませんでした。
元夫の親族は「嫁が男を作って出て行き、息子は傷心のため自殺した」と言いふらす。
一方、不動産会社がすぐ1千万円を払えと催促するので、弁護士を立てることに。
弁護士は、事故物件の過大請求について、ぺるみさんたちに説明するのです。
スポンサーリンク
連帯保証人
賃貸のお部屋を借りるとき、保証人をもとめられます。
しかも連帯保証人を。
この元夫が自殺したお部屋は、ぺるみさんの親が連帯保証人でした。
不動産会社は、アポなしで親を急襲。
なんと法的には連帯保証人には突然、請求しても問題がないというのです。
連帯保証人は拒否できない・交渉できない・逃げられない!
私は住宅ローンで、夫の連帯保証人だったので、本書を読んで青ざめてしまいました。
自死遺族の苦しみ
弁護士の活躍で、損害賠償は減額されます。
しかし、ぺるみさん親子は誹謗中傷にさらされます。
保育園の保護者や子ども達同士の噂で、登園できなくなるのですね。
すると、児童福祉課の職員から虐待を疑われ、気が休まらない。
漫画なので、暗い感じはありません。
不動産の事故物件や自殺遺族の苦悩について、とても勉強になる一冊。
事故物件を気にせず、入居される方が増えています。
まとめ
「自殺遺族になっちゃった!!」は、事故物件の損害賠償で、遺族が1千万円を要求されるところから始まります。
元夫の勤務先はブラック企業で、心身ともに疲れ切って自殺したのが真相のようですが、不動産会社はごり押ししてくるのです。
対抗する手立てを知ることができて、勉強になった1冊です。
スポンサーリンク