結婚生活とは何なのか?
日々の不満が長年にわたり積もり積もって、爆発寸前の妻は少なくないはず。
『夫に死んでほしい妻たち』小林美希著は、朝日新聞社から発刊された本。
結婚生活は家庭のなかの暮らしの積み重ねですから、外からは見えにくいものです。それにしても死別を願う妻の事情はそれぞれ。
この本を読んでの円満な結婚生活を過ごすコツもお伝えします。
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妻たちの不満
- 妊娠中の妻を横目に、いつも通りに飲み会に行く夫
- 赤ちゃんを見ていてと頼むと、本当に見ているだけだった夫
- 社長なのに妻に生活費を6万円しか渡さない夫
- ガンで子宮を切除せざるえなかった妻に「女でない」と言った夫
- 借金を繰り返す夫
- 子どもが大病しても他人事のような夫
本にはさまざまな夫婦の形が描かれています。
借金を繰り返す夫はギャンブル関係のほか、投資用の不動産を売買して負債がふくらむ人も。
育児中の20代から40代の妻たちの不満も大きいのですが、団塊世代の妻は恨みが積もり積もって、復讐のチャンスを狙っているケースもあります。
妻の逆襲
夫の遺骨を電車の網棚にわざと置き忘れ?!
なかでも私が「すごい」と思った妻は60代後半。年上の夫は、美容師の妻の稼ぎを当てに「飲む打つ買う」の3拍子がそろっていました。
妻はいくども離婚を考えたものの、子どもたちのことを考えて、あきらめてきたのです。
そんな夫も70代半ばをすぎて、自分には妻しか老後をみてくれる人間がいないことに気づく。
しかし、そこから妻の逆襲が始まり、究極が「夫が死んだら、わざと電車の網棚に忘れて、供養をしない」という気持ちを抱くのです。
本ではこの夫は存命中で、実行に移したとは書かれていませんが、思わず「そうか、その手もあるのか」と、驚きました。
遺骨は遺失物の倉庫に置かれ、墓に埋葬されないでしょう。そこまで考える妻がいることは、男性にとって全く想定外ではないでしょうか。
離婚と死別はどっちがお得?
離婚ではなく、死を願うのはなぜ?
それは死別の方が、遺族年金などが着実に家族の許に入るから。
死別の支援は手厚いのです。
不謹慎なこと極まりないけれど、経済的な面に限ると、死別のほうが得るものがありそうです。
遺族が受け取ることができる年金について解説しましょう。
遺族年金
遺族年金には、自営業などで国民年金の被保険者である間に死亡したときなどの遺族基礎年金と、サラリーマンで厚生年金の被保険者である間に死亡したときの遺族厚生年金があります。
遺族基礎年金
死亡した人によって生計が維持されていた「子のある配偶者」または子が受給できます。子とは18歳になった最初の3月31日まで、または障がい1級・2級の状態にある20歳未満の子が対象。
ただし、子であっても婚姻していると対象外です。
つまり、一般的に18歳までの未婚の子どもがいる家庭に受給されます。
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遺族厚生年金
受給対象は、死亡した人によって生計を維持されていた家族が前提になります。
優先順位あり。
- 子のある妻、子のある55歳以上の夫、子、子のない妻
- 55歳以上の父母
- 孫
- 55歳以上の祖父母
妻の場合は遺族厚生年金に加え、遺族基礎年金、中高齢の寡婦加算額も受けれる。生計維持者が妻のときは、夫が受け取るのは55歳以上という条件がつきます。
遺族厚生年金の受給権があれば、遺族基礎年金に上乗せし、遺族厚生年金が受給できます。
父母や祖父母が受給できるケースは、死亡した人が未婚で父母、あるいは祖父母のためにお給料を家計に入れていた場合ですね、平たく言うと。
寡婦年金
国民年金の独自給付として条件付きだが、死亡一時金と寡婦年金があります。
寡婦年金を受け取れるのは、
- 事実婚を含む婚姻関係が10年以上、継続していること。
- 国民年金の第1合被保険者としての夫に、免除を含めた加入期間が25年以上あることです。
以上の条件を満たすと、妻の年齢が60歳から65歳までの間、受給できます。
円満な家庭のための3原則
本の最後のほうに、こんな文章がありました。
「家庭内ではカミさんが天皇で、夫は関白である」
はい、亭主関白の関白ですね。歴史的に関白は、天皇の次に偉い人。
そして、亭主とはお茶をふるまう人の意味があり、もてなす人だというのですよ。
ですから、夫は家庭では妻を立てて、もてなすような気持ちでいることが、円満のコツ。
- ありがとうをためらずに言おう
- ごめんなさいを恐れずに言おう
- 愛していると照れずに言おう
これが夫婦関係の三原則だとか。
憎しみ合って暮らすのは、精神的に辛いことに違いありません。
相手を変えることは難しい。
私の個人的な気持ちですが、死んでほしいと思うくらいなら、離婚して再出発したほうがましと感じました。
まとめ
夫に死んでほしいと思う妻がいるとしたら、高額な保険金のことが頭をかすめるせいもあるかもしれません。
子どもが小さいうちは生命保険も必要で、死亡保険金6000万円ということも珍しくありませんから。
『夫に死んでほしい妻たち』は衝撃的なタイトルですが、著者の小林美希さんは、この本のほかに『ルポ 産ませない社会』『ルポ 保育園崩壊』など、社会の断面を追うテーマを書いていますので、また読んでみたいです。
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