孫の誕生は誰にとっても、うれしいことです。
しかし、このごろ「孫ブルー」という言葉を耳にしませんか。
これは孫の世話や教育費の援助により、祖父母が疲れてブルーな気持ちになること。そもそもこの言葉は『子や孫にしばられない生き方』を出版した河村都さんの造語です。
子や孫とほどよく付き合う秘訣について、本の内容から紹介します。
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意外と多い孫ブルー
『子や孫にしばられない生き方』の著者である河村都氏は、NHK「おかあさんといっしょ」のお姉さんとしてレギュラー出演して以来、表現教育や知育情操の講師をされてきました。
現在は「オフィスカワムラ」を立ち上げて、活動されています。
さて、娘さんが結婚と妊娠、出産され、双子が誕生。その初孫の登場により生活が一変。というのも2世帯住居だからですが、産声を聞いた途端、うれしさよりも不安が胸に湧いてきたそうです。
「おばあちゃん、どうぞこちらへ」
病院スタッフの声に、カチン!
「私は河村都という名前です」と、即座に言い返したとか。
そのページを読んで、「わかる、わかる」と私は思いました。
我が家では孫が生まれるのは3ヵ月先ですが、私もぜってえ「おばあちゃん」とは呼ばれたくない。
孫にも話せるようになったら「貯め代さん」か、「ためちゃん」と呼ばせたいです。
孫育てを押し付けられグッタリ
それにしても本書には、祖父母からのお悩みケースがさまざまに載っていました。
- 孫の世話で体力を奪われる
- 止まらない孫への出費
- 孫に振り回され、好きな趣味や仕事ができない
打ち明けるときもみなさん、「こんなことを口にしていいのだろうか」とためらいがある。
それに対する、河村都さんの答えはこう。
「言っていいのよ!もっと!
なぜ孫が生まれたからって自分の人生を諦めなきゃいけないの?!
孫の人生に責任を持つ必要責任なし。
私たちもっとワガママに生きましょうよ!」
確かにそうですね。
いい顔をしてイクジイだの、イクバアを演じてもストレスが溜まると、結果的によくありませんもの。
ポストセブンの記事にもありました。体調をくずすほど疲れるから、来なくていいよという祖父母の事情です。
孫がストレス要因に? お年玉を振り込み帰省断る祖父母も│NEWSポストセブン
残りの人生を悔いなく
著者が子や孫にしばられない生き方を書いたのは、ご主人が病気で65歳で亡くなったこと、そしてご自身が肺がんとなったことも理由なのでしょう。
初期の肺がんは何の気なしに受けた人間ドッグでわかったそうです。
手術は娘さんがお孫さんたちを出産する2ヶ月前。
人生観がまるっきり変わったとのこと。
「10年後、自分が生きている保証はどこにもない。1日たりとも無駄にできない。
残りの人生を悔いなく生きたい」
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2世帯でもほどよい距離感が大切
著者は、娘さん家族と2世帯住居に暮らし、ルールを決めて娘さんたちに伝えてきました。
- 私のリビングに孫のおもちゃを置かない
- 夜20時以降は手伝わない
- 食事は朝昼は別々、時間が合う夜だけ一緒に
- 部屋に入るときはノックか、事前にメール
- 共有スペースの玄関には靴はひとり2足まで
- 食費や日用品は同額ずつ出し合って管理
- お金の貸し借りは公的書類にする
- 窓育てのためのスケジュールは共有する
近しい間柄だからこそ礼儀が必要。
7のお金の貸し借りは、家のリフォーム工事費で、娘婿さんから負担したいからと申し出があり、取り決めたそう。
そういうことをきちんとすると、信頼が長く保てるにちがいない。
『子や孫にしばられない生き方』
オフィスカワムラ代表・ 河村都著
私が本書を手に取った理由
結婚した娘が妊娠していて、里帰り出産の予定です。
初めは私もうれしくて張り切っていたのですが、だんだん不安になってきました。
というのもこういう体験談を耳にしたからです。
「娘のお産の手伝いをして、疲れて血圧が上がった」
「新生児の世話と娘のサポートをしたが、あまりに大変で涙が流れた」
「娘と衝突して親子げんかになってしまい、修復できない」
親子げんかは、娘といえど実家を離れて社会生活を送るうちに、母親と考えや意識が合わなくなるのが原因のようです。
むむむ~
新米の祖父母におすすめ
里帰り出産で祖母がサポートするのは、一カ月半~2カ月でじゃないでしょうか。
その後は、娘は赤ちゃんとともに娘の夫がくらす都会へ戻ることでしょう。
産後鬱や、ワンオペ育児が問題なので、困ったときは手助けをする、そのスタンスで私は行こうと思います。
同居はいまのところ予定にないし。
「子や孫にしばられない」の本は、新米の祖父母におすすめです。
シニア世代のこれからの生き方のヒントが書かれている1冊です。
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