2021/01/15更新しました。
お盆にはお墓参りをする方が多いと思います。
お墓の前で手を合わせるのは、ご先祖さまに感謝の気持ちを伝え、家族の現況を報告する気持ちがあるから。
土地柄によってたくさんの供物を捧げたり、花火を打ち上げたり、獅子舞でご供養をしたり。
この頃は、洋風でおしゃれなお墓が目に留まります。
その一方で、倒れた墓石がいくつも置かれた様子を見ることも。
墓石建立や管理費はいくらほど掛かるもののでしょう?
旧盆を前にして、知人の話を元にお伝えします。
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位牌堂とお墓
私が暮らす町は東北の片田舎。
藩政時代からのお寺さんが多く、知人マダムの菩提寺は禅宗だそうです。
72歳のマダムは、10年ほど前にご主人を亡くされました。
「夫は末っ子だから、位牌堂を求めて墓地を買い、お墓を建立したの。そのときいくらかかったと思う?」
「さあ」と、首をかしげる私。
「300万円ちょっとよ。よそ様より立派にしたわけじゃない、それで平均だったのよ、当時は」
マダムが語るその内訳がこうです。
- 位牌堂が120万円
- 墓地の土地代30万円
- 墓石と工事費が150万円あまり
そのほか葬儀には200万円以上かかったとか。
「葬儀の時はお香典を頂くから、すべてが持ち出しではないけれど通夜ぶるまいや、お寺さんに払う戒名代とか読経にお包みするお金とか、悲しみにくれる間もなくお金を準備したわね」
総額500万円!
そんなにお金を貯めなくてはならない の?!
呆然とします。
墓地の管理費はいくら?
寺院の敷地にお墓を建立したり、お寺が分譲したお墓の場所を求めると、毎年、管理費が発生します。
「8千円をお盆前と年末に払うの。年間1万6千円ね」と、マダム。
私の家ではまだお墓を建てていませんが、夫の母が墓の場所を20万円ほどで買ってくれました。
買うと書いたけれど、正確にはお墓をその場所に建てて良いという権利を購入したという感じ。
お墓を建てないときは権利は消滅し、たいていはお金が戻りません。
わが家は一応、いずれはお墓を建てるつもりで、管理費を年間2,000円納めています。
管理費は、お寺さんから「○○円を納めてください」と通知が来ますが、お寺によってまちまちでしょう。
わが家が割安なのは、まだお墓を建てていないからです。
墓守がいない
葬儀やお墓と位牌堂で500万円以上かかった知人には、お孫さんがひとりもいません。
嫁いだ娘さんにはお子さんがいないし、40代半ばの息子さんは独身。
息子さんがこれから結婚して、子どもをもうけたら話は違ってきますが、今のところお墓を守ってくれる子孫がいないんですね。
実はわが家もいません。
娘ふたりがおりますが、他家に嫁ぎました。
ですから、もしお墓を建てても維持できない可能性が大。
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変わる意識
知人は言いました。
「将来は墓じまいをして合葬墓にし、永代供養にしようかしら」
永代供養は宗派やお寺によってかなり値段が開きます。
10万円~数百万円。
一般的には個人でお墓を建てるよりは手頃といわれます。
そのほか海洋葬や樹木葬などもあります。
私の夫は「墓は要らない。地元の山から遺灰を撒いてくれ」と言いますが、それは法律上ゆるされません。
遺骨や遺灰は墓地や決められた場所に埋葬しなければならないのです。
私の祖母は、ご先祖様を大切に祀り、朝に夕にお経を唱えて、炊きたてのご飯を仏壇にお供えしました。
いまは故人が好きであれば、パンを供える家庭もあるみたい。
仏教の施餓鬼供養は、餓鬼道に堕ちたご先祖の苦しみをすこしでも和らげたい気持ちから、お供物を捧げる行事。
人の物を奪ったり、貪欲に金儲けに走ったり、妻子を顧みずに放蕩に走るなどした人が堕ちる地獄が餓鬼道です。
仏教は戒めが多い。親不孝も大罪に。
葬祭費は縮む傾向
今朝の新聞で「総務省、家計調査、6月は前年度を下回る。レジャー費や葬祭費が減少」というような見出しがありました。
葬祭費はこの10年、ずっと減っています。
一方で葬儀トラブルは増えている。
「見積もりより多く請求された」
「互助会を退会しようとしたら、解約金がとても高額だった」
国民生活センターにも相談が多く寄せられています。
お墓参り代行
遠方のため帰郷できないという方のために、昨今は墓参り代行サービスがあります。
お墓の現況確認だけなら5千円ほど、墓の掃除をしてお線香を手向けたり、お花を飾ったりで15,000円コースなど、なかには10万円のプレミアムサービスも。
ふるさと納税の返礼として墓参り代行をする自治体もあるそうです。
時代は変わりますね。
まとめ
考えてみたら、わが家はお寺に管理費を払っているものの、永代供養のほうが良さそうに思えてきました。
お墓や位牌堂、葬儀に500万円をかける余裕は全くありません。
そもそも老いたとき介護が必要になったら、そのお金もすぐ枯渇しそう(@@;)
とりあえずお盆の13日には、墓参りをしてご先祖さまに日頃の感謝を伝え、この先も守って下さいと手を合わせてきます!
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