2024年9月15日更新しました。
母と娘は気心が知れているので、言いたいことを言える仲です。
ところが、こじれると解決が見えずに、厄介になりがち。
「去年、出産した娘と連絡が途絶えて、57歳の母親である私はどうしたらいいの?」という相談が、サイト記事に載っていました。
本当なら産後のサポートや育児を、身近な先輩である母親に頼るはず。
相談者はどうやら同棲の際に、「妊娠はもう少し待って」と自分の意見を押しつけたり、娘のパートナーに直接、感情をぶつけたりしたもよう。
母娘の距離について考えます。
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親子トラブル
相談者は57歳。
離婚して独り暮らし。
娘は24歳です。
娘は同棲を経て、昨年に男児を出産。
- 57歳の母親は、同棲を知ると「妊娠はもう少し待って」と娘に言った
- 連絡がないと、「世話になった親にそういうふうに返すのか」と、つい言ってしまった
- 連絡がないため、娘の夫にLINEと手紙を送った
- 娘から「お前のせいで家庭が壊れた」と、LINEがあり、その後は完全無視
相談内容は、「私はどうしたらよいのでしょうか?」というもの。
出産した娘から連絡がこないと嘆く57歳女性に、鴻上尚史が断言する「親が子供に絶対に言ってはいけない言葉」 (1/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)
なぜ、この相談が私の胸に響いたか?
それは、相談者と同じ年齢であることと、私の娘も同棲しているうちに、妊娠したからです。
親の心配
妊娠が解った、そのとき私の娘は26歳の会社員。
お相手はふたつ上の上司(@@;)
幸いなことに、ふたりとも独身でした。
妊娠を相手に告げると、彼はびっくりした顔だったそうです。
私も驚きました。
なぜなら、私の娘は23歳で卵巣嚢腫を患い、それが14センチも腫れていたため、片方を切除。
おまけに多嚢胞 性卵巣症候群(PCOS)もあり、妊娠しにくいだろうとドクターから説明を受けたから。
「もし今後、結婚してお子さんを望むときは、不妊治療をした方がよいでしょう」
それが、あっさり自然に妊娠した。
そんな経過があり、私は「結婚前だから生むな」とは、口が裂けても言えませんでした。
私自身は子宮筋腫と、チョコレート嚢腫と診断され、経過観察を何年もした経験があります。
話を元に戻すと、娘の病気のことは彼も知っていました。
娘が故郷で養生していたとき、毎日のように電話をくれた勤務先の人。
私の気がかりは、お相手の親御さんの気持ちに他なりません。
「まだ早いから、中絶して欲しい」
そう言われないか、心配したのです。
結果的には反対はされずに、ぶじに入籍しました。
両家の親族を招いての結婚式は、しておりません。
子どもが生後半年のとき、親子3人でフォトウェディングをしました。
子に断絶される親
57歳の相談者は、なぜ娘から完全無視されたのか。
- 自分の寂しさをまぎらわせるために、娘に絡む
- 娘に絡みつくことが、無意識の生きがいだから
- 娘の自立を認めない
- 恩着せがましい言動
解答者の鴻上尚司さんは、「しばらく娘さんのことはそっとしてあげて、あなた自身の生き方を充実させませんか」と言うようなことをアドバイス。
それから「娘婿には、ぜったいに接触しないほうがよいですよ。LINEも手紙もトラブルの根を深くするだけ」と、断言しました。
この57歳の相談者は、どうも娘婿に娘を奪われたという被害者意識があるのかもしれません。
親子や家族は、それぞれの立場で全く違う感情を抱きやすいので、親は成人した子どもの人権やプライバシーを侵さないことが大切です。
たまに、子どもの給料や財産を、親の自分に寄こせ。
そんな主張をするシニアがいますが、勘違いもはなはだしい。
また、自分の老後の世話を子どもにするのは当然という親も。
親が、我が子を支配したくなるのはどうして?
それは、子どもを通してしか、自分のことを認識できないからなのかもしれません。
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孝行を尽くせ
いまの70代から80代は、子どもの頃に戦前の忠孝の思想を植え付けられました。
「お国のために命を捧げる」と同じように、老いた親のために子どもが、できる限りの孝行を尽くすのは当たり前という考え。
57歳の相談者は、そんな前近代的な流れを意識の中に取り込んでいるのではないでしょうか。
もはや、いまは個の時代。
そもそも、若い世代は生きることに必死で、親世代に援助する余裕は、経済的にも心理的にもありません。
その年代によるギャップが、親子のトラブルに発展すると、私は考えます。
トラブル回避のポイント
成人した子どもとうまく付き合う秘訣は、べったりし過ぎないこと。
とくに子どもが配偶者を得たなら、他人行儀なくらいのほうがトラブルの種をまきません。
親の目には、子どもの配偶者の粗が目につくこともあるでしょう。
これは私の失敗談ですが、娘夫婦がケンカすると、娘はLINEで相談してきます。
私はあれこれ心配して「別れて、実家に孫と一緒に戻っていいよ」と、言ったのですよ。
でも、娘夫婦は、翌日には仲直りするんですね。
ラブラブです。
夫婦げんかは、犬も食いません。
余計な口出しをすると、娘婿の恨みを買うかもしれず、以降は「そうなの」と、話を聞くだけにしています。
まとめ
出産した娘から拒絶された57歳の相談に、考えさせられました。
自分の毎日が空虚だと、子どもの人生に介入したくなるのかもしれません。
知らずに子どもを傷つけていることは、どんな親にもあるでしょう。
子どもと言え、成人したら立派な大人。
しつこいのと恩着せがましさは、とくに嫌われるポイントですから、私も気をつけたいです。
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