
菅野久美子さんは孤独死の著作で知られています。
現場のミニチュア制作をネットで見たことがある方も、いらっしゃるでしょう。
「母を捨てる」は菅野さんの虐待サバイバーとしての体験記。
ハードな虐待に言葉を失ったので、感想をお伝えします。
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教師の家庭に生まれて

菅野さんはお父さんが学校の先生、専業主婦のお母さんのもとに生まれた第一子です。
4歳のとき幼稚園から帰宅すると、外ではにこやかな母の顔が一変。
「こっちに来なさい」
奥の部屋に連れて行かれ、虐待が始まるというのです。
- 毛布を頭から被らされ、首を絞めて呼吸を奪う
- 風呂場の浴槽に張った水に、子どもの頭を突っ込む
「お母さん、もうやめて。ごめんなさい」と謝る娘。
「あんたなんか生まなきゃよかった」と、繰り返される恐怖の時間。
首を絞める虐待は、近所に知られないため。
町内会や隣近所と付き合いがあるからこそ、ひそやかに繰り返し虐待が行われたそうです。
無関心な父親

小学校に勤務する父親は、そんな虐待に全く気付かず、家庭に無関心。
恋愛結婚だったけれど、いつしか夫婦げんかが増えて、父親は書斎に閉じこもるように。
そして母は、宗教にハマっていきます。
メンタル的に弱く、依存性の強いお母さんのようです。
神道系の新興宗教のため、全財産を巻き上げられることはなかったそうですが、夫婦の溝は決定的になるのですね。
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母を捨てる

菅野さんは18歳で進学して東京に出たことで、母親と物理的に距離ができます。
なのに東京見物にかこつけて、娘を付き合わせる親。
そして娘が年頃になれば、同じ年代の人と同じように結婚するように期待するのです。
世間並みに、あるいはそれ以上に娘を育て上げて、賞賛されたい母親。
菅野さんは母を冷静に分析することで、心理的に自立。
自分の幼少期からの虐待体験を発表したのが本作です。
電子書籍
介護は息子よりも、娘に押し付けられがち。
母の無謀運転による、無理心中未遂も著者のトラウマになったことが本から読み取れます。
感想

私はギャンブル依存の実父と継母から距離をとって、自分を守ることにしました。
ですから、菅野さんの本に共感する部分があります。
さすがに首絞めや水責めの体験はありませんが、継母からの無視や家事の強制は、子どもの頃からしょっちゅう。
いま60代になって「親を捨てる」から、私は「捨てられる立場」に。
娘たちはそれぞれ家庭を持ち、必死に生きているから、田舎の親には、そんなに連絡を寄越しません。
私は虐待したつもりがないけれど、娘たちからしたら厳しい親だったに違いない。
子どもへの暴言や虐待を繰り返してきた親とは「もうかかわりたくない」と考える40~50代が、親の介護や葬儀、納骨を代行サービスに依頼する例が急増している。一般社団法人「LMN」(東京都)は、いわゆる「毒親」の被害者向けの相談室「家族じまいドットコム」を11日に開設する。 東京都内に住む女性(50)は1年半前、父親の身元引受人になりたくないとLMNと契約した。 「私の両親は、子どもの夢や人生をつぶす人たちでした」
「毒親の介護したくない」40~50代の依頼殺到 葬式や納骨も代行:朝日新聞
本の中で菅野さんも家族代行サービスについて好意的に言及しています。
まとめ
「母を捨てる」は虐待シーンが生々しいので、胸が痛くなります。
家庭内は密室のため、幼児自身が告発するのは難しく、非常に残念なことに殺されてしまうお子さんも少なくありません。
考えさせれた「母を捨てる」の本、レビューをお伝えしました。
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