世界的なコロナウイルスによる感染症は、人々の行動を大きく制限しています。
出歩くことへの自粛が求められて 、旅行やレジャーはもってのほか。
そんな巣ごもりの日に、岡田晴恵さんの本『図解 歴史をつくった7大伝染病』を読みました。
感染症がいかに人を苦しめ、歴史を変えたかについて、とても勉強になるので、感想をお伝えします。
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岡田晴恵さんの本
私の町の図書館は開館しているため、岡田晴恵さんの本を3冊借りて、読むことができました。
『毒性別 新型インフルエンザ対策 完全マニュアル』は、2010年に出版され、おもに鳥インフルエンザについて解説。
自宅療養を余儀なくされたときのポイントや注意点があって、今回のコロナにも応用できるでしょう。
患者の食事
- おかゆ
- うどん
- パン
- 豆腐
- スープ
- 缶詰のフルーツ
水分補給は、まめに摂取することが大切です。
感染症が流行しているときは、やはり外出を控えるのが、鉄則。
ひとり暮らしの方は、自分が寝込んだときを想定して、食料や飲料水はもちろんのこと、連絡を取れる人に近況を知らせておくことも大切です。
岡田晴恵さんは、1963年生まれ
共立薬科大学修士課程卒
ドイツ留学を経て、国立感染症研究所ウィルス第3部研究員に。
現在は白鴎大学の教授です。
感染症に関する本を50冊以上、出版されていました。
コロナウィルスのテレビ解説で、すっかり有名ですね。
感染症と人の移動
3冊のなかで、もっもと興味深く読んだのが『知られざる世界の裏面史 図解 歴史をつくった7大伝染病』です。
表紙の情報量がすごい。
細菌とウイルスが歴史を変える!
過去、感染症がいかに大きな社会変革をもたらしてきたかをビジュアルに紹介。
教科書が決して教えてくれない、もう一つの世界史。
表紙に、7大伝染病が網羅されています。
- アフリカ・中東からの奴隷がローマ帝国にマラリアを蔓延
- 患者を癒やしたイエスと迫害した中世キリスト社会
- ハンセン病をヨーロッパ全土に広めた十字軍の遠征
- シルクロードの交易で瞬く間に拡大した天然痘
- ペスト流行が境になった中世ヨーロッパの繁栄と衰退
- ルネサンス運動がもたらした性の解放と梅毒
- 産業革命による過酷な労働が免疫力を弱め結核を広めた
- 第1次世界大戦の5倍の死者を出したスペインかぜ
- ウイルスの突然変異を及ぼす新型インフルエンザの脅威
民族移動やグローバリズムは、感染症の世界的な流行と密接なつながりがあって、歴史は何度でも繰り返すことをしみじみと感じました。
人類が克服できたのは、天然痘だけ。
ペストはクマネズミ等が媒介し、いまも患者を出している国があります。
結核は抗生物質に耐性をもつ菌がありますし、梅毒は日本でも罹患者が増えているところです。
人の一生は長生きできても、70年から100年。
麻疹や水ぼうそう、小児マヒ、破傷風は予防接種のおかげで激減しました。
そしてコロナウィルスの脅威に、私たちはたじろいでいますが、これは序の口なのかもしれません。
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感染症と芸術家
本には、梅毒によって短命となった芸術家も載っていました。
えっ、あの人も……。
- モーパッサン
- ハイネ
- ニーチェ
- ベートーヴェン
- ゴーギャン
- シューベルト
ベートーヴェンは26歳から難聴に苦しみました 。
岡田晴恵さんの書いた本書によると、先天性梅毒の可能性があるとか。
詩人のハイネや作曲家のシューベルトは意外ですね。
ルネサンス運動と梅毒がつながり、江戸の町の岡場所にもふれています。
感染力が強いのですよ。
夜の町はやっぱり注意が必要ですね。
50歳の国会議員が、この時期にわざわざセクシーキャバクラなる風俗店に出かけて、週刊誌に撮られたわけですが、一般の男性も要注意。
人生を棒に振るかもしれません。
梅毒は一度、感染して治癒しても、再感染する可能性があるそうです。
換気が重要
新型コロナは、密閉・密集・密接の『3密』を避けることで、感染リスクを減らすことができます。
結核も、閉め切った工場に大勢の労働者を押し込むことで、次々と犠牲者が出ました。
1908年に結核菌を発見したコッホ博士が来日。
それを機に、日本はようやく結核予防に動き出しました。
しかし、国民病と怖れられ、ばたばたと若くして亡くなるケースが多かった。
30歳未満の国民に、ツベルクリン検査をするようになったのは、戦後の1951年から。
感染症の歴史を知ると、コロナウイルスが数ヶ月で終息できるとは思えなくなりました。
当分は海外旅行をとりやめて、結婚式や葬式はごく小規模の方が良いでしょう。
これからも、続々とウイルスは人類に戦いを挑むのでしょうか。
とにかく閉め切った部屋に大勢で宴会しながらの、おしゃべりはリスクが高い。
換気、換気、換気!
まとめ
岡田晴恵さんの本を読みました。
『図解 歴史をつくった7大伝染病』は、図や写真が多くて理解しやすい一冊。
小学校の高学年から読むことができるので、親子の読書にもおすすめです。
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