金曜ロードショーの地上波で放送された「パラサイト半地下の家族」を見ました。
ブラックスリラーかつ、ホラーな半地下の住民達の物語。
世界中で格差が広がっているので、身につまされる場面があるし、予想も付かない展開で面白い。
映画の感想をお伝えします。
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半地下の住まい
韓国のポン・ジュノ監督。
日本ではビルや店舗の地下室を、一般の人に住居として貸すことはあまり聞いたことがありません。
韓国は北朝鮮の攻撃に備えて、地下室を作ることが実際にあったそうです。
その地下室は格安の家賃なので、所得の低い人が住む。
空気が淀み、狭い家。
ところで、主人公の一家が貧困に堕ちたのは、父親の転職や事業の失敗等による借金。
雨が続くと、氾濫した用水路から水があふれ、また水圧の関係から水洗トイレの設置場所を、住居部分より高めにしていることが映画からうかがえます。
『パラサイト半地下の家族 』に登場するのは4人家族。
キム・ギテク(ソン・ガンホ)は、失業中だが楽天的な父親。
元ハンマー投げの選手で気が強い妻、チュンスク(チャン・ヘジン)と、大学受験に落ち続けている長男のギウ(チェ・ウシク)、美大を目指す長女のギジョン(パク・ソダム)と、仲良く暮らしている。
しかし貧しい彼らの家は、半分地下。
水圧が低いため家の一番高い場所にトイレがあり、天井近くにある窓は、開けっ放しにしておくと道路で散布される消毒などが家に入って来てしまう
参照元:
家族は貧困から抜け出すために、必死になるのですね。
富裕層の生活ぶり
IT企業の社長の邸宅に、ひょんなことから家庭教師として入り込む息子。
ソウル大学の学生だと偽るのですが、うまくいくのです。
有名建築家がデザインしたというその家の生活ぶりは、成功者として描かれて、見ていて思わず憧れてしまう。
お父さんは運転手、お母さんは家政婦、長女は息子の絵の先生として、まんまと一家に乗り込む。
社長一家が泊まりがけのキャンプに出かけると、一家は我が物顔でその豪邸でどんちゃん騒ぎ。
そこに、前の家政婦が現われて、波乱の幕開けに……。
ネタバレになるので、ストーリーはこの辺までにします。
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気持ちが 荒む貧困
ネット社会で、いろんな情報が手に入るから、他人の暮らしぶりもある程度、知ることができます。
おいしい料理や旅のこと、イベントや活動PRもどんどん投稿できます。
可愛い子どもにすてきな夫、そしてハイセンスな住まい……。
友人達の活躍やすてきな日常を、羨ましく感じるのは、きっと私だけではないでしょう。
風の時代は、情報をうまく発信した人が有利になります。
ただ、自分の実際の生活から離れて、キラキラ投稿を続けるのは辛い。
たいていの人は自分を偽ると、その乖離に悩み苦しむ。
「パラサイト 半地下の家族」主人公である青年と父親は、徐々にメンタルを蝕まれていく。
理由は富裕層への妬ましさや嫉妬により気持ちが荒み、自己卑下や自己否定につながるからでしょう。
胸を張って、清貧を喜ぶ。
その境地にならないと、貧しさは心身に堪えることです。
ブラックスリラー映画
世界の晴れ舞台で高評価を得た「パラサイト半地下の家族」は第72回カンヌ国際映画でパルム・ドール賞を受賞。
アカデミー作品賞や監督賞、脚本賞も受賞しました。
格差社会を痛烈に批判したエンタメ作品。
一旦、貧困に陥ると子供達の学業や就職にも、影響が大きいことを示唆しています。
エンタメ映画だから面白い。
とくにコロナ禍の閉塞感が満ちた今、娯楽として楽しむには最高です。
まとめ
半地下での生活では、脚本家が学生時代に暮らした部屋をヒントにしたそうです。
洪水のシーンは圧巻。
救いようがない貧乏な家族が主人公ですが、富裕層はほんの一握りで、大半の人は乏しい家計を切り盛りして生きています。
それだけに身につまされるし、ハラハラして面白かったという感想をお伝えしました。
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