2024/01/05更新しました。
このごろ垣谷美雨の小説にはまり、今回は『老後の資金がありません』を読みました。
必死に働いてきたのに、貯蓄は減るばかりの主婦が主人公です。
老親ヘの仕送りや娘の結婚式、夫のリストラなど身につまされて、考えさせられることが満載。
この本の感想とともに親ヘの仕送り額や葬儀のこと、子どもの結婚式について私の考えをお伝えします。
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老親へ仕送り
主人公の篤子はアラフィフ主婦です。
娘の結婚が決まり、結婚式の費用が600万円、両家折半として300万円の出費に頭を悩ませていました。
そもそも家計が苦しい。
なぜなら、夫は一流企業に勤務しているのですが、高齢の親に月々9万円、年間にして108万円の仕送りをしています。
それが、きつい。
夫の親はかつて商売を営み、裕福でしたから、贅沢が身についているんですね。
食にこだわりがあるし、入居している老人ホームは高級ホテルなみ。
時間給1000円ちょっとのパート主婦である篤子は、この仕送りがなければと、つい考えてしまうのです。
ところで、みなさんは高齢の親御さんに仕送りをなさっていますか?
仕送りをさし上げている方は親孝行ですから、きっと先々、幸多いことでしょう。
尊敬します!
えっ、私ですか?
はい、夫の親にも私の親にも仕送りは、していません。
自分たちの暮らしで精一杯、親不孝者と言われたら、それまでです。
夫の母親(92歳)は健在で、いまも私たちのことを気にかけてくれます。
長兄一家と同居し、年金を受給しているので、仕送りをしてほしいと一度もいわれたことはありませんでした。
保険の相談サイトによると、仕送りをしている人の平均額は月額64,000円とありました。
1年で76万8千円。
2年で153万6千円……けっこう多額ですね。
ただし、全体の1・4パーセント程度だそうです。
つまり98パーセントの人たちは、仕送りをしていないということ。
しかし身内に困っている人がいたら、相互扶助が望ましい。
これが日本国の基本ルール。
この頃は高齢者の方が若年者より社会保障が手厚いこともあって、親の生活は親自身の年金でやりくりするケースが多いとのことです。
結婚式
『老後資金がありません』の小説では長女の結婚式費用も、主人公の篤子を悩ませました。
新郎の実家が田舎でスーパーを経営しているため、盛大な結婚式を挙げようと推し進めるから。
結局、娘の幸福のために篤子と夫は、希望通りの 結婚式と披露宴をします。
ところで、私にはふたりの娘たちがいますが、それぞれナシ婚。
新婚旅行を兼ねてフォトウェディング をしましたが、田舎での宴会さながらの披露宴を拒否したんですね、娘たちが。
そして、私は嫁入り道具も特に支度しませんでした。
次女はついこの前まで、学生時代に使っていた洗濯機を使い、子どもが生まれてから自分たちで容量の大きなものに買い替えたのです。
正直言うと、ジミ婚というかナシ婚で、わが家の家計は助かりました。
結婚式だけでひとり300万円、ふたりで600万円も掛けていたら、ピンチに違いない……(-_-;)
孫が生まれたら、また援助やサポートが必要ですし。
www.tameyo.jp昨今は、ランドセルも様変わりして、ますます 高級化路線のようです。
孫貧乏も、悩ましい問題ですね。
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葬儀費用
「老後の資金がありません」では夫の父親が亡くなると、篤子は義理の妹から「葬儀費用はすべて兄さん持ち」と告げられました。
理不尽ですが、長男だから仕方がないとしぶしぶ了承。
ところが、祭壇やお墓など、全て予算オーバーになってしまう。
かつては浅草で商売した夫の親夫婦は、土地の売却代2億円を使い果たして、預貯金がないんですね。
それで、篤子たち夫婦が月々9万円を仕送りしたのです。
そのうえ葬儀費用も負担となれば、自分たちの老後資金がないのもうなずけませんか。
日本はもともと葬儀費用が世界のなかでも突出しているのですが……。
昨今は、葬儀費用をなるべくかけないようにする家庭が増えています。
葬儀の内容と費用は土地柄でかなり異なるのですが、全国平均は195・7万円という統計があります。
それにしても、なにかとお金は掛かりますね。
戒名が高いケースがありますし、お墓を建立すると毎年、維持費も発生。
ご先祖さまは大事ですから、お金を惜しみたくはないけれど、下手をすれば生きている人が疲れてしまうかも。
そして、いつ必要になるかわからないので、ときどきはクローゼットを開けて、喪服にカビがはえたり、シミが浮き出たりしていないかチェックが大切です。
見栄が命取り
「老後の資金がありません」を読んで、冠婚葬祭に見栄を張ると、支払いが大きくなってしまうのだと思いました。
- いかに親の負担を少なくして、子どもの結婚式をするか
- 高齢の肉親への仕送り
- 葬儀費用
- 突然のリストラ
【中古】 老後の資金がありません / 垣谷 美雨 / 中央公論新社 [文庫]【メール便送料無料】【あす楽対応】
読みやすく面白い本です。
シニアになっても、お金の問題は油断はできません。
老いた親への仕送りや子どものために良かれと考えて大金を投じたことで、自分たちが貧乏になっても 、全てが自己責任です。
小説はそれから、高齢の義母をマンションに引き取ることで新たな局面に至り、読ませます。
まとめ
「老後の資金がありません」はアラフィフ夫婦が、老親の世話や娘の結婚、リストラにどう対応して、乗り越えていくかをユーモアを交えて描いた小説です。
生きるって、精神力や体力が必要だなあ。
どこの家庭にもありそうな身近な問題がテーマで、秋の夜長にオススメです。
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