2020/07/01更新しました。
はてなブロガーのロバート・熊さんがお書きになった『あやしい催眠商法だましの全手口』を読みました。
催眠商法は、昔からあるテクニックです。
たくさんの人を会場に景品等で誘い込み、健康食品や健康布団を言葉巧みに売り付ける商法。
私は20歳の時、たまたま伯母と会場に出かけたことがあるんですね。
伯母は健康グッズに目がないタイプだったため、そのときも浴槽にブクブク泡が出る機械を買いました。当時30万円以上で、なんと伯母は私の実家にも勧めて、実家も買ったという体験談がある!
騙される人は何度でもお金を出して、周囲を巻き込みます。
この記事は「あやしい催眠商法だましの全手口」の感想と私の体験談を中心にお伝えします。
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催眠商法とは
健康食品や自然食品ののぼりを立てた会場を見たことはありませんか?
小さなホールや貸店舗の一室に、主に高齢者を集めてとても楽しそうな雰囲気を作っています。
チラシを撒いて「健康に良いパンを格安でお分けします。通常価格800円を今だけ100円」など と書いてあることも。
では、のこのこ出かけていくと、どうなるでしょうか。
そのときは別に怖いことはありません。
やけに親切そうな若いスタッフが「旦那さん、どこから歩いて来たの?歩いて」とか、「お母さん、寒い中、来てくれて有難う」とか、ねぎらってくれるはず。
そこでホッと心を和ませると、スタッフは徐々に商売の話に持って行くのです。
気づけば足抜けできない
お年寄りのなかには、楽しみに飢えていることがあります。
子どもや孫と遠く離れて暮らして、めったに会えない寂しさ、あるいは同居していても家族から疎まれていたり、 気が合わなかったり。
そんなときにご近所に誘われて、催眠商法の会場へ出かけてしまうと、優しげなスタッフの甘い言葉に乗せられてしまうかもしれません。
『あやしい催眠商法だましの全手口』には詳しいやり口が載っていますが、彼らは訓練を受けたプロ。
- ささいな表情から心理を読み取り、グイグイと消費者の心をマヒさせる。
- 巧みな話術で、違法すれすれの医療情報を吹き込み、すっかり健康食品の信者にする
近づかない
著者のロバート・熊さんは「まず誘われても行かないこと」がポイントと、本の中で仰っていました。
なお著者は過去に、催眠商法のスタッフとして働いたことがあるそうです。
景品や格安な商品は、撒き餌だからそんなモノに騙されないで、会場に近づかないで!
そう書いてあります。
また、出かけてしまったら、次回は決して行かないことが被害を受けないことにつながるとも。
被害者は多い人で1千万円以上、自然食品や健康食品を買い込み、クレジット破産する方もいますし、家族にばれて辛い目に遭う方も後を絶ちません。
信者のようになってしまうと、有り金を注ぎ込んでも、騙されていることに気づかないそうです。
一昔前だと、契約させるまで会場にみんなを軟禁状態ということがありましたが、さすがに最近は聞かなくなりました。
田舎の親に電話してみよう
予防策として電話で、親の日常を把握することも大切です。
「この頃、誰と会っているの?」
「なにか素敵な商品を買えた?」
などなど、優しく話を聞いてあげましょう。
間違っても「高額な健康食品やマットレスなんか買っていないでしょうね!」と、否定的な詰問をしないで下さい。
親が心を閉ざすので。
年配者は財産を持っていると思われがちなので、注意が必要です。
被害額も数千間円と高額なケースが少なくありませんから。
親が騙されいないかチェックポイント
親と同居していれば、早期に見つけやすい。
- 毎日決まった時間に出かけて、決まった時間に帰宅
- 毎日、何かしらのお土産を持ち帰る
離れて暮らしているときは帰省時にチェックを。
- どこかの部屋に使う必要がない日用品がたまっていないか
- 消費しきれないほど食品がたまっている
- その食品は聞いたことも見たこともないメーカーである
- 同じ自然食品が5つ以上ある
催眠商法でなく、通販で買い込んだものかもしれませんが、大切な老後資金をなくさないように見守りましょう。
ただし、いずれにしても頭ごなしに怒るのではなく、話を聞くことが大切です。
著者は私が知る限り、ふたつのブログを運営。はてなブログ『ありがとう熊さん』はhttps配信されていないようですから、アメブロのリンクを貼ります。
がんばれ熊さんのブログ。
あやしい催眠商法だましの全手口
著者ロバート・熊さん
私は地元の図書館にリクエストして買ってもらい、読みました。
地方ではオレオレ詐欺をはじめ、騙されるケースが多いので、皆さんにこの本を読んでもらいたかったのです。
さて、私の悪質商法の体験談には続きがあります。
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催眠商法の体験談その後
冒頭でお話しした伯母は、悪い人では全くありません。
むしろ長女として一族のとりまとめ役、善人でした。
中年期まで小さな会社の社長夫人だったのです。でも時代の波もあって、事業の売り上げは低下し、販促担当の伯母には暇ができました。
その心のすきに、健康食品や健康グッズの業者が忍び寄ります。
伯母に勧められ私の実家も買った「泡の出るお風呂」は30年以上のことですから、いまのような設備とは違い、けっこう場所を取る物でした。
「超音波の泡がでるので、あらゆる体の不調に効果がある」というふれこみ。
会場には30名近い人が集まっていて、当時20歳の私はきょとんと見ていました。
その業者のスタッフは5名だったでしょうか。
ボス的な人の目つきは鋭かったですね。
田舎娘の私でも「おっ、その筋の人間じゃねえの」と、直感的に思うくらい。
ツッコミ役とボケ役の軽妙なトークに乗せられて、会場に集まった人の大半が契約に応じて、中には伯母のように親戚中にすすめる人もあったわけ。
実家ではしばらく使っていましたが、そのうち壊れて処分。修理なんてできません。
業者は関西弁で、事業所の住所もでたらめですから。
上記に25万円と書きましたが、記事を読んで下さったid:papayapapa様から、その泡が出る機械は48万円もしたという情報が寄せられました。
大金ですね。
そのころ20歳だった私は力弱く、大人に意見する立場でなかったことが悔やまれます。
その後、伯母の会社はつぶれ、借金のために伯母は温泉旅館のまかないに出るようになりました。
70代半ばで亡くなったのは心労のせいかもしれません。
特殊詐欺など にあったときは消費者ホットライン「188」へ相談を。
自分はゼッタイ騙されない!
そんな自信を持つアナタが危ない。
ナニワ金融道の故・青木雄二さんは生前、周到に張り巡らされた詐欺にあったとか。
騙しのテクニックはさまざま。
柔らかな笑顔でハンサム青年、おまけに礼儀正しく、高級そうなスーツを着こなす人が詐欺師だった!
そういうケースもあるので、ご用心を。
まとめ
ロバート・熊さんがお書きになった「あやしい催眠商法だましの全手口」を拝読し、30年前に伯母と会場へ出かけたことを思い出しました。
健康になるのならと大枚をはたいた伯母は、坂を転げるように貧乏になった。
あまりに人を信用するのは考え物です。とくにのどかな地方に住む私たちは、格好の餌食になりやすい。
ロバート・熊さんの本は読みやすく、イラストもたくさん載っています。ふるさとの親御さんにプレゼントすると喜ばれるかも。
シニアだけでなく若い世代も、一読をお勧めします。
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