定年離婚を考えているのは、夫より妻のほうが多い。
明治安田生活福祉研究所の調査によると、子どもがいる既婚女性の28.1㌫が夫の定年後に離婚しようかなと、考えたことがあるそうです。
子どもが成長して自立すると、夫婦をつなぎ止めるものがなくなる。夫が毎日、家にいると妻は息抜きができない。そんな理由もあるでしょう。
私が思う、シニアになっても夫婦円満に暮らすコツをお伝えします。
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定年離婚の理由は?
地元紙に定年離婚についての調査結果が載ったのは、昨年末です。
各紙に載ったと思うのですが、お読みになりましたか?
定年離婚を考えた理由のトップは、私には衝撃的でした。
「夫の退職後に、毎日いっしょに生活するのは耐えられない」
サラリーマンは共働きでも奥さんが専業主婦でも、昼間は空間スペースが別です。
それが夫の退職により、家にいる時間が長いとそれだけで妻は憂うつになってしまう。
よくある妻の不満を並べてみましょう
- 毎日のお昼ご飯の準備がめんどう
- 気晴らしに、外出ができない
- 出かけようとすれば、夫が詮索する
- 退職により家計管理に口を出される
- お金に細かくて、生活費をくれない
- 家事について注文が多くなった
日々の積み重ねで妻の不満が高じると、更年期の時期でもあるので、心身の調子を崩すことが少なくありません。
場合によっては、うつ病のようになってしまう女性もいます。
それから、さらに紙面ではこんな理由も挙げられていました。
「配偶者の介護をしたくない」
そう思う女性が8.5㌫、男性は 1・9㌫。
夫の介護はイヤという妻が、1割弱という結果がでました。
尚、この調査は2018年6月、全国の40歳~64歳の男女を対象にインターネットで実施。
1万2千人の回答を得たとあります。
介護は問題山積み、私もその時になってみないとわかりませんが、今のところ夫に介護が必要になったら、精一杯努めたいと思います。
実母の家系は脳疾患が多く、私のほうが先に介護を必要とするかもしれない。
健康寿命を延ばすことは、切実な課題です。
卒婚は?
離婚せずにお互いが必要以上に干渉しないで、自立した生活を楽しむことを卒婚といい、昨今の流行語になりました。
元々は2004年に出版された杉山由美子著『卒婚のススメ』 で用いられた造語。
今回の調査では男性56・4㌫が卒婚に肯定的、女性は73.5㌫で、年齢が上がるにつれて前向きに卒婚を考えているとのこと。
元横綱で相撲部屋の元親方・花田光司さんが景子さんとの離婚時に「卒婚ですよ」と話されましたが、正式に離婚されたので、「卒婚」ではありませんね。
卒婚は、結婚状態を維持しつつ、相手の自由をある程度は認めて、あまり干渉しないことですから。
定年離婚で気になるのは、その後の暮らしはどうなるかではないでしょうか。
家事を任せきりの夫は生活不能に
画像は若い人物ですが、60歳以降の男性に置き換えてください。
広い家にたった独り、もう会社に行く必要はありません。
朝から酒浸りでも、文句を言う人もいない。
自分の会社にステータスを感じて、仕事が生きがいだった夫は妻に去られた時、3度の食事に困るかもしれません。
コンビニはあるし、宅配弁当もあるので、飢えはしないでしょうが。
ある熟年の奥さんは、夫との会話が続かないことに絶望したそうです。
毎日、食事を作ってテーブルに並べても、ただ黙々と食事する夫。
妻が「おいしい?」と聞くと、「うまいから喰ってる。まずければ喰わねえよ」と。
そんなことが積み重なり、離婚に至ります。
「せめてひと言、有難うと言ってくれたなら、私の気持ちは慰められたでしょう。徐々に顔も見たくないと感じて、同じ部屋の空気を吸うのもイヤになった」
生活を妻に任せきりだと、不慮の事故やあるいは突然の病気で死別したとき、途方に暮れるご主人が多いのが実情です。
- 自分の着替えの場所
- 入浴や洗濯
- 食事と後始末
- ゴミ出し
毎日の暮らしのリズムが崩れてしまうと、やがてセルフネグレクトになる可能性があります。
離婚するとかしないにかかわらず、日頃から妻は家事ノートを作り、夫婦で共有すると良いでしょう。
離婚後の妻は経済的に自立できるか
定年離婚した妻が子どもと暮らすケースもあるでしょうが、独り暮らしの場合は、経済力が課題となります。
- 家賃
- 水道光熱費
- 食費など生活にかかるお金
- 医療費
- 交際費
「年金分割」熟年離婚は99%やめたほうがいい | 家計・貯金 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
年金を分割してもらえるのは、婚姻している期間の厚生年金の部分。
専業主婦だった人は、暮らしが大変になるケースのほうが多いそうです。
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定年後も夫婦で働く
人生100年時代 、長生きはリスクという説も出てきました。
そして生涯現役を貫いて、家にいないほうが妻との関係が良好になりそう。
定年後に悠々自適の生活ができる人は、これからはますます減るにちがいありません。
夜間警備、事務作業の請負、YouTuber・ブログ執筆など1円でも稼ぐことで夫婦の関係が良くなるかもしれませんね。
健康である限り夫婦ともに働くこと、ただし年金を減らされない程度に。
また、厚生年金をたくさん受給できる世帯では、定年後の働き方によって、高額な納税を課せられることがあります。
体調と相談しながら、ほどほどに働くのがおすすめ。
まとめ
新聞の片隅に載っていた『定年離婚』の意識調査は、私にはショッキングな数字でした。
夫の介護をしたくない妻は1割弱と少数ですが、います。
時代の変化なのでしょう。かつては嫁は、脳疾患等で寝たきりの舅や姑の下の世話まで一切合切、押しつけられたものですが、時代は変わりました。
日本の夫婦や家族は、かつてないほど脆いことが数字からうかがえます。
どうしても精神的に耐えられないときは、離婚も仕方がありません。しかし、経済面等を考えるとできるだけ避けた方が 正解です。
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