ホリエモンこと堀江貴文氏と言えば、かつてはライブドア事件で世間をにぎわせました。
現在はロケットエンジン開発も手がける実業家です。
その堀江貴文氏の本『ウシジマくんVS.ホリエモン人生はカネじゃない』を読みました。
お金が大好きに映る堀江さんが、人生は金じゃないとは?
本を読んで最も印象に残ったのは、意外なほど用心深い方なんだなということ。
感想をお伝えします。
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闇金ウシジマくん
『ウシジマくんVS.ホリエモン人生はカネじゃない』は、小学館から発刊された本です。
ウシジマくんとは、マンガ『闇金ウシジマくん』の主人公。
闇金の経営者として冷徹な人物で、返済できない客を追い込むキャラクターです。
そのウシジマくんをホリエモンが丁寧に読み解いて、若い人たちにどう生きるべきかを説く内容の本。
私は最近、自分よりも若い人が書いた本を、読むようにしています。
理由はネット時代となり、 昭和生まれの私は世代ギャップを感じるから。
ところでホリエモンは、IT企業ライブドアの前身オン・ザ・エッヂを東京大学在学中に立ち上げ、2006年に証券取引法違反で逮捕されました。
実刑判決を受けて服役し、2013年に刑期終了。
そんな経歴を経て不死鳥のように返り咲き、知名度と集金力は、バツグンと言っても言い過ぎではないでしょう。
そのホリエモンは、「闇金ウシジマくん」のファンだそう。
搾取する側と、搾取される側を描いたヒット作ですが、世の中は、私も含めて搾取される側が圧倒的に多い。
お金とはなにか?
一度なくした信用を取り戻すのは、最初に信用を作るより大変なんだ。
累計1000万部超えの「闇金ウシジマくん」の名言や名シーンがこの本には散りばめられています。
でも、お金そのものに価値はあるのでしょうか。
1万円紙幣の原価は約28円。
硬貨の方が、原価は高い。
紙幣に価値を与えているのは、国の信用です。
債務不履行に陥いるなど、信用度が低い国のお金は、暴落します。
お金=信用。
お金がないと簡単に口にすべきでないのは、自分には信用がないのだと言っているのと同じだから。
闇金と聞くと、大半の人に摂っては縁遠い存在のように思いがちだが、私に言わせると、いつ闇金に手を出してもおかしくないマインドの人は、ごまんといる。
『ウシジマくんVS.ホリエモン人生は金じゃない』本、70ページ
物事を知らない真面目な人が搾取されやすいと、堀江さんは断言。
- 女の子がホストクラブで気分良く吞んだら、一晩で100万円を請求された
- 出勤中に車をガードレールにぶつけてしまい、修理代を行政側から100万円請求された女性
- 東日本大震災の被災地で、怪しい瓦業者のローンにだまされ、300万円近い借金を背負ってしまった女性
本によると、上記のケースはいずれも風俗で働いて返済しているそうです。
「詐欺ビジネスは、まじめ人間の固まったマインドを利用して成立する。疑わない人はとことん利用されるだろう」と、いうようなことも書いてありました。
またお金儲けのためにリスクを冒して投資して、大きな借金を背負う人も。
日本人は、疑うことを知らない人が多い。
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親も疑え
お金が絡むと、親子関係にも暗雲が立ちこめるでしょう。
堀江貴文さんは経営するライブドアが東証マザーズに上場して羽振りがよかったとき、父親からこんなことを頼まれました。
「勤めている会社を定年退職したら、コンビニ経営がしたい」
母親は母親で、「マンションの管理人をしたいから融資してほしい」と。
コンビニ経営は難しいし、専業主婦だった素人がマンションを貸し出して利益を出すのはたいへん。
そのため、堀江さんは親たちをなだめるのに骨を折ったそうです。
「親を信用するな。親子の情愛に惑わされるな」
堀江さんは、親の借金を肩代わりして苦労している人を見てきたとか。
一度きりの人生を親の借金に捧げるのは、昔なら孝行息子と賛美されるでしょう。
ですが、現在では「人の言いなりだ」と思われ、さらなるトラブルに遭うかもしれません。
この本には、堀江さんのトラブル回避のコツが書かれて、男性は特にすぐに呼び出しに応じる女性に気をつけたほうがいいとも。
後々、トラブルになりがちだからです。
人生はカネじゃない のなら、何なのよ?
私はページをめくりながら、そう感じた瞬間があります。
日本はもちろん世界中がお札教に染まった現代。
お金じゃなくて、大切なのは信用なんだよ。
身近な人を騙したり、怪しげな情報商材を売りつけたりして、一時的に儲けても、破滅の足音が近づいているんだと、著者の肉声が聞こえそうな文章。
お金を追うのではなく、他人にサービスや有益な情報を提供して、信用を育てるほうがよほど大切なことなのでしょう。
まとめ
『ウシジマくんVS.ホリエモン人生はカネじゃない」を読んだので、感想をお伝えしました。
発信力があって、若い世代の支持を集める堀江貴文さんが、マンガの主人公ウシジマ君の名言とともに自らの渡世のコツをレクチャーしています。
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