友人マダムと会ったら、彼女がとてもセンスの良いストールを首に巻いていました。
「あら、ステキね、藍染でしょう?」と私。
「うふふ、そうなの。染織家の1点ものなのよ」
グラディーションの色合いが品良くて、似合っていました。それにしても1点ものとは!
あんぐりと口が開いた私はお値段を聞くことができません。数万円はしたでしょう。まあ、マダムのように金払いのよい人もいないと工芸作家の暮らしが成り立ちませんね。
お金は社会の潤滑油、貯めこむだけではいけないのです。
そうはいっても、貧乏主婦の私には買えるはずがなく、帰宅してから「いいなあ、ほしい」と呟いたそのとき、あるものが目に映ったのです。
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ジャパンブルーと称された藍染とは?
目に映ったあるものって?
その前になぜ私が藍に惹かれたかを、少しだけお話させてください。
藍染は植物のタデ藍を刈り取り、発酵させてから染料として使います。天然藍はへびや害虫を寄せつけず、夏場のあせもも防ぐと昔から言われてきました。
そして厳しい身分制度があった江戸期、農民や庶民が着ることを許された色が藍。
明治になって日本にやってきた外国人は、多くの人々が藍染の野良着(のらぎ)や法被(はっぴ)を着ているのを見て、その深みのある青を「ジャパンブルー」と賞賛。
そんな藍ですが、化学染料が登場すると、手間や時間がかかるため藍染め屋さんは激減します。かつては日本中いたるところで藍玉が取引され、藍の工房があったのですが、今は徳島県などに残るのみ。
ですが、効用を知る人は本物の藍を求めます。私は藍染め作家を志す女性と会ったことがあり、その人が持っている作家物の藍の絞り染の着物は700万円とのこと。
ピンからキリまでありますが、シルク(絹)はやっぱり値が張ります。
家にあるのれんをほどき、縫う
わが家では、 藍染ののれんを玄関とリビングの扉のところに下げていました。冬は閉めますが、夏は開けっ放しにすることが多いので、散らかった部屋の目隠しのために。
「そうだ、のれんを改造しよう!」
やっぱり、おしゃれはしたい。
目を付けた私はさっそく洗い、乾かしからほどきました。そして、一本のストールになるように縫い合わせたのです。
素材は麻、中国製です。買ったのは百均の「ダイソー」。
でも、百円ではなく、800円もしましたよ。5,6年前ダイソーのリビングコーナーで見つけて以来、夏はのれんとして使用。
どうでしょう、ストールに見えるでしょうか?
私の代わりにスヌーピーの首に巻いてみます。
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難点は継ぎ目と肌触り
2枚をはぎ合わせたため、真ん中に縫い目が見えてしまうのが難点です。首に巻くとき上手にしないと、粗い針目が目立つかも。
そして、肌触りはイマイチ。
麻は水に強くて洗濯もできます。こののれんストールは中国製の麻のせいか、生地がごわごわして首に巻くと少し肌がちくちくします。
まあ、仕方ない。
買わずに済ませるには、そのくらいはガマンします。
もし、藍染のストールを巻いている女性がいたら、私かも。襟ぐりのあいた夏物を着るとき、陽射し除けに活用するつもり。
まとめ
作家の一点ものではありませんけれど、自作の「のれんストール」も世界でただひとつの一点ものに違いありません。
家にあるものを工夫して、活用するのが好きです。
人前で堂々と「ハンドメイド作家の一点ものよ」と、艶やかに微笑んでみたいものです。
2018/07/09更新しました。
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