2022年7月11日更新しました。
夕べ、窓の外を眺めていた夫が、「玄関先に車が停まって、女性が降りてきたよ」と、私に言いました。
町内会の役員をしていることもあり、ドアを開けて応対したら、「貯め代さんの高校の同窓生です」と、私のフルネームを口にしながら、やけに親しげな表情。
でも、用件を聞くと「先祖の供養」の勧誘でした。
先祖供養の勧誘と、霊感商法についてお伝えします。
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先祖供養の勧誘
日が沈んだ氷点下5度の なか、わざわざ訪ねてきた女性は50歳くらいでしょうか。
私のフルネームを連呼しながら「高校の同窓生で、貯め代さんの後輩です」と言うんですよ。
名前と自宅を知られているからには、むげに応対できません。
「はあ、それでご用件は?」
「貯め代さんのお役に立ちたくて、先祖供養について知らせに参りました」
先祖供養?
いまどきそんな古典的な手口が、まだあるのか!
先祖どころか、老いてなおパチンコ狂いの父親と継母が悩みのタネ。
そんな私から、金をむしり取るんかいッ。
思わず怒鳴りつけたくなりました。
しかし、暴言を吐いたら恨みを買いそうですから、丁重にお引き取りを願いました。
その人は名刺を寄こそうとしましたが、ふれるのも呪わしいので私は受け取らず。
それにしても、先祖供養という古い霊感商法で、カモを釣ろうとする輩が未だにいるのですね。
先祖供養とは、先祖を大切にする祖霊信仰が仏教と結びつき、お盆やお墓参りなどの慣習になり、供養を施す心が大切と教えます。
しかし仏教には因果応報の教えがあり、その解釈を逆手にとる人たちも。
「あなたが不幸なのは、先祖供養が足りないからだ」と不安を煽り、高い数珠やお札を買わせることを、霊感商法と言うのです。
子どもをダシに
先祖供養と聞いて、ピンときたのは過去にも似たような事例が、わが家に起きたから。
それは20年前、長女が小学校6年生のとき、こんな電話がありました。
「お宅のお子さんと同じクラスの○△の母です。
いつも仲良くしてくれて、ありがとうございます。
実はご相談したいことがありまして、ご自宅に伺っても良いですか」
私はてっきり、子どものいじめ問題とか学校の悩みだと思い、自宅に上げました。
そうしたら、そのお母さんは女性の同行者とともにわが家の椅子に腰掛けてから、切り出したのですね。
「日連系の宗教に入りませんか。とても心が落ち着くお話が聞けますよ」
ゲッ(@@;)
子どもをダシにした、宗教勧誘かよッ。
若かった私は、不快感をあらわにして退散をしてもらいました。
日本国においては、宗教の自由が 保障されていますから、イワシの頭だろうが牛の尻尾だろうが信じてもいい。
けれど、勧誘はやめてほしいです。
- キリスト系の団体
- いろんな新興宗教
- 団体の機関誌を買ってくれ
わが家には何度か、上記のような勧誘がありました。
私は頑として受け付けませんが、入会して熱心な信者となり、お布施をする人がいるのでしょう
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新興宗教がらみの事件
私は夫とともに仏教徒なので、死んだときはお寺の和尚がお経を上げてくれ、菩提寺の墓地に葬られる予定です。
しかしながら、信仰心はさほど篤くありません。
私が宗教と距離を置いているのは、オウム真理教の大事件が影響しています。
オウム真理教(以下「教団」といいます。)は、麻原彰晃こと松本智津夫が教祖・創始者として設立した宗教団体で、かつて、同人の指示のもと、宗教法人を隠れ蓑にしながら武装化を図り、松本サリン事件、地下鉄サリン事件等数々の凶悪事件を引き起こしました。
平成30年7月、一連の凶悪事件の首謀者であった松本をはじめとする13人に死刑が執行されましたが、その後も教団の本質に変化はなく、松本への絶対的帰依を強調する「Aleph」をはじめとする主流派と松本の影響力がないかのように装う「ひかりの輪」を名のる上祐派が現在も活動しています。
オウム真理教の事件は当時、連日のようにテレビのワイドショーに入りました。
息子や娘が入団して、取り戻そうとする親たち。
なかにはオウム真理教に報復され、殺された親御さんもいます。
盲目的に信じると、高学歴な人たちも 暴走してしまう。
リアルタイムで見聞きしたので、警戒の気持ちは解けません。
霊感商法
夕べの先祖供養を勧誘した人は、帰り際に名残惜しそうに「貯め代さん、お話だけでも聞いて下さい!!」と懇願の表情で訴えるんですね。
先祖の因縁や、霊のたたり、水子の怨霊など、そういうキーワードは要注意。
霊感商法と考えて、間違いがないでしょう。
「玄関に入ってすぐ悪霊がついているとわかった」
「悪霊がついて次々に不幸なことがおこります。」
「このつぼは悪霊を取り除く力があります。」
「このつぼを飾っておくと、その日から良いことがあります。」
「この印鑑を使うと幸運になります。」
「印鑑を作り替えないと悪いことがおこります。」
「このつぼを毎朝拝めば悪霊が去って幸せになります。」
数千万円を取られた被害者はざら。
億単位のお金をだまし取られる人もいます。
心を他者に支配されないように、ご用心下さい。
先祖の祀り方や供養は、訪問セールスよりも、本から学んだほうが安全です。
いろんな先祖供養の方法を説く人がいますが、まずは生きている私たちが清く生きることが大切。
仏壇やお墓の前で手を合わせたら「いつも見守って下さり、ありがとうございます」と感謝すると、ご先祖様はほほえんで下さるでしょう。
占いのある大家も、先祖供養とお墓のセット販売で、莫大な財産を築いたと聞きました。
「あんた、地獄に堕ちるわよ」
キャッチフレーズの暴言が、ご自身に跳ね返ることがないのでしょうか。
まとめ
コロナ禍でも、先祖供養の勧誘に熱心な人がいます。
不景気になればなるほど、人の不安につけ込む輩が増えるかもしれません。
ご先祖様は、大金を払わなくてもご供養できます。
私たちの体内に、ご先祖様のDNAは脈々と生きていますから、霊感商法に気をつけましょう。
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