2019年11月10日更新しました。
わが家は家を建てる前は、5年ほど賃貸しの物件に暮らしていました。
1階は飲食店などが5店舗、2階は貸アパートとなって4世帯が住める建物で、駐車場付き。うちは自営業のため店舗と部屋を借り、家賃を月々10万円払いました。
ときは1987年~1992年までのバブル期。
その後に、小さな戸建てを新築して住宅ローンに苦しみました。
さて、この頃よく耳にするのがマイホームと賃貸しではどちらがお得かという話題です。そこで、それぞれメリットとデメリットを体験から述べます。
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賃貸し物件に住んでイヤだったこと
- 下の階に飲食店が入っていたせいか、ゴキブリやネズミが多かった。
- スナックのカラオケ騒音がひどかった。
- となりに住むご主人のいびきが聞えるくらい、壁が薄かった。
- 酔っぱらいの大きな声や飲食店に勤める女性たちの嬌声が聞えるので、子どもの教育上、良くなかった。
大家の息子がカラオケスナックのオーナーだったので、文句は言えませんでした。
家賃の内訳は店舗が6万5千円、住居の部屋代が3万5千円で月々10万円。駐車場込みですが、これってけっこう大きい。
5年間を暮らして600万円を払いました。でも壁紙の1枚も自分たちのものにはなりません。そのころは、早く家を建てて出て行こうと心に決めて、頭金を作るために必死に働く日々を送ります。
家を建てて良かったこと
- 自分の思い通りに設計して、建てることができた。
- 気兼ねなく暮らすことができた。
- 小さい子ども達がどんなに騒いでも、一軒家なので文句を言われない。
- 社会的な信用度がアップする
地方では持ち家信仰が根強く、また都会よりも手頃な価格で家を建てられることがほとんど。
家は露骨に経済事情が反映されがちですが、私が思うメリットは、子どもが内装に落書きしたり傷をつけても、あまり神経質にならなくても済んだこと。
持ち家のデメリット・住宅ローン
最大のデメリットは住宅ローンが家計を圧迫したことです。
わが家は土地の値段がピークのときに50坪を買いました。
土地代が1500万円。
住宅の建設費は抑え気味にして1500万円。合計3000万円のうち頭金を600万円いれて、2400万円の借入。
600万円の頭金のうち、200万円は夫の実家による援助でした。
1992年は住宅ローンの金利もピークだったため、7パーセントという今では考えられない金利で、最初の10年間はほとんど元金は減りません。
そのうち子ども達が成長すると教育費もかかって、四苦八苦に。
それでも元のアパートに戻りたいとは1度も考えなかった。
住宅ローンを借り換えして、今の金利は2・5パーセント。わが家は自営業のためサラリーマンより金利は高めです。
後悔している点は、信用金庫に掛け合ってもっと金利を安くするように交渉するべきだったということ。
事業の売上が減少し、ここ10年は超節約生活。
しかし、元のアパートに戻りたいとは1度も考えたことはありません。ゴキブリやネズミの棲みかで、カラオケはうるさく、なにかと気を使う物件だったからです。
がんばってローン返済をしてこれたのは、元の賃貸し物件がひどかったから。禍福はあざなえる縄のごとしで、物事には両面があるのですね。
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住宅ローン・連帯保証人という重荷
妻である私が連帯保証人となって組んだ住宅ローン。当時は27歳だったので、連帯保証人の重みをよくわかっていませんでした。
今では成人した子ども達が「父さんと母さんは仲が良いね」と、安心しているようです。けれど、婚姻生活30年ですから、離婚したいと思ったことは何度かありました。
原因はズボラな私が神経質な夫から始終、文句を言われてストレスになったこと。特に30代の頃です。
離婚しても債務は残る
私は幼い子ども達を連れて家を出て、どこかの観光ホテルに住み込みで働けないかと、真剣に考えるほどに。
「ねえ、〇〇ちゃん。ママと一緒にこの家を出て、ふたりで頑張って生きていこう」
保育園児だった次女は、「うん。ママといっしょならいいよ」と、私の頬に手をあてて涙をぬぐってくれます。
当時の私は、子どものやさしい性格に甘えていました。大きくなってから、「私は本気で母さんの支えになろうと、小さな胸を痛めたのよ」と、言われたことも。
結果的に離婚を踏みとどまったのは、住宅ローンの連帯保証人になっていたからと言う理由が大きかったと思います。
住宅ローンの連帯保証人は離婚したからといって、解除できません。
債務の責任は支払いが終わるそのときまでついてくる。そして、わが家は夫婦で力を合わせなければ、月々のローン返済が不可能な家計でした。
夫婦ふたり暮らしは狭いほうが便利
仕事場をのぞくと、住空間はリビング、寝室、子ども部屋という間取りなので、子ども達と一緒に暮らしていたときは狭いと嘆いていました。
しかし、子ども達が進学や就職で家を離れると、この狭い住空間でも充分です。
部屋が余分にあると、荷物を抱え込みがちになるし、掃除もそれだけタイヘン。そういう点からすると、わが家は身の丈暮らしなのでしょう。
広い家でなくて良かったと思っています。
賃貸しは更新料や家賃が高くなるなどがデメリット
地方のアパートでも最近は更新料の話を聴くことが増えました。通常は2年の契約で、更新時に家賃ひと月分をプラスして払うことが多いようです。
建物の賃貸借契約は、通常2年程度の期間で、期間満了のときに賃借人が更新料(1か月分の賃料相当額が多いようです)を支払って、また2年程度の契約をするのが通常です。
あたり前のように更新料の支払いが行われていますが、平成23年7月に最高裁の判決で有効という判断が出る前は、消費者契約法に反するから無効という下級審の判決がいくつかありました。
また、最高裁でも、常に有効ということではありません。契約書に金額が明記されていて(数字に限らず、「2か月分の賃料相当額」など、金額が分かるように書いてあれば問題ありません)、不当に高額でない場合という条件がついています。不当に高額とはいくらまでか、という問題がありますが、1か月~2か月の賃料相当の更新料は問題ありません。 ただし、これは、あくまでも消費者契約の問題です。
賃借人が居住用として個人で借りている場合にだけ問題になります。貸店舗、貸事務所など、事業用に借りている場合や、法人名義で借りている場合には、消費者契約ではないので、問題にはなりません。
とは言え、契約書で、更新料を支払うかどうかや、その金額があいまいな場合は、消費者契約でなくても問題になることがあります。
参照元:内藤寿彦法律事務所
余談ですが、老いて年金が少なくて家賃を払えない、そんな困窮する人が将来は増えそうです。私自身は低年金で、たとえ家があっても修繕費が出ない可能性が大。
先を考えると、心臓が縮む思い。
まとめ
結婚当初の5年間は賃貸し に、その後は持ち家に暮らしています。
店舗併用住宅で、身の丈にあった小さな住空間。
この頃は一生、賃貸し派で充分という記事をよく見かけます。でも、新しい物件は家賃が高めですし、何よりバリアフリーにしたいと思っても改装はできません。
持ち家とアパートは一長一短がありますが、私は身の丈にあった今の家が前よりも好きになりました。それは苦労して手に入れたことを改めて感じているから。
できるかぎり住みよくして、これからも暮らしていきたいと思うこのごろです。
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