4月に入社したけれど、もう会社に行きたくない。
そんな方もいるでしょう。
10年前はひどい就職難でしたが、今年は空前の売り手市場。就職率も高いことが予想されます。
さて、作家の福澤徹三さんが書いた『自分に適した仕事がないと思ったら読む本 落ちこぼれの就職・転職術』を紹介します。
仕事に関するあれこれはもちろん、生きる上での参考になるアドバイスが載った一冊です。
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福澤徹三のヒット作は『東京難民』
福澤徹三さんの代表作といえば『東京難民』。
東京の私立大学に通う若者が親の破産によってホームレス状態になるストーリーで、映画化されましたね。
とても面白く、夜が更けるのも忘れて一気に読みました。
主人公がとんでもないトラブルに巻き込まれて、命からがら助かるシーンの連続。息をつかせない展開ではらはらしながら、ページをめくったのですよ。
そのほかホラー小説も多く書いています。
どちらかといえばソフトなホラー。夜に読んでも眠れるくらいの怖さで、夏にぴったりかも。
福澤さんは作家になるまで水商売や工事現場の作業員、広告会社のコピーライターと様々な職を経験。
『自分に適した仕事がないと思ったら読む本』にはその体験が載っています。
1962年、福岡県生まれで、アンダーグランドにも詳しい。写真を拝見すると、強面の方!
町で会ったら、小心者の私なんかはそっと視線をそらすでしょう。
格差が広がる時代にどう生きるか
『自分に適した仕事がないと思ったら読む本』のテーマはずばり、格差が広がる時代にどう生きるか。これに尽きます。
『自分に適した仕事がないと思ったら読む本』の背表紙にはこんな文章が。
富める者はますます富み、貧しい者はますます貧しくなる時代。年収二百万円以下の給与所得者はすでに1千万人を超えた。拡大する賃金格差は、能力でも労働時間でもなく、単に「入った企業の差」である。
今、株が上下していて、1億円くらいの株主なら黙っていても数百万ほど利益となることがあると聞きました。
富める者はますます富み、金融や数字に疎い人や情報弱者は徹底的に搾取されています。
たとえば生命保険。
ささやかなお金を守るには、きっぱりと断る勇気も必要になりました。
大衆に貧しさを意識させ、羨望をあおるのが現代
福澤徹三さんは高校を終えると、現場スタッフとして職歴を重ねた方なので、透徹したモノの見方をします。
「市場原理はどこまでいっても貧乏人につけいる隙を与えません。物質な豊かさで言えば、日本人は古人がうらやむような暮らしですが、テレビが芸能人やベンチャー企業の成功をこれ見よがしに見せ、自分よりもはるかに豊かだと思わせている。サラリーマンの生涯賃金を1年やそこらで稼ぐ連中と比べたら、だれだって貧乏です」
さらには、携帯電話を次々から買い、しゃべってもしゃべっても人間関係は冷え切るばかりとも。
きっと、私たちは消費社会の奴隷になっているのでしょう。
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面接を受けるときは
この本には具体的な面接を受けるときのコツも書いています。
なんと福澤さんは専門学校の教壇に立ったことがあるんですね。アパレル関係の専門学校生に、企業就職のセオリーを教えていたそうです。
大企業でも臆せず受けてみろ。面接は慣れだ。2回や3回で諦めるな、落ちるほどチャンスは広がると思え。
そんなふうに持論を展開。
就活に臨むとき、親子で読みたい一冊です。
まとめ
どこで会社を辞めるか。まずは1年は勤めてみて合わないのであれば、次の就職先を探してから退職を。
在職中に転職活動したほうが、無職のリスクを避けられるので良いと書いていました。福澤さんは広告プロダクションや百貨店にも勤務したそうで、転職の達人は波乱万丈に生きて、作家になったのだとわかります。
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