若いときは自分が老いるなんて、考えもしませんでした。
しかし、年月の流れは容赦がありません。将来、年金だけで暮らせそうにないと暗い気持ちになるのは、私だけではないでしょう。
『65歳で月収4万円。年金をもらいながらちょこっと稼ぐコツ』は生活研究家の阿部絢子さんが書いた本です。
東京に暮らす阿部さんが、70代からの就職体験や派遣会社の門をくぐった取材のもようが書かれていました。
参考になる一冊なので、紹介したいと思います。
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減る年金、暮らしは?
私は54歳なので、年金の受給まであと10年余り。しかし、自営業の妻なので、国民年金しかなくて、微々たるものです。とても年金だけで生きていけそうにありません。
そもそも満額を受け取るには40年間、掛け続ける必要があります。
満額のケースで平成29年の1年間に受け取れる金額は、77万9300円。
月に換算して64,941円です。
しかし、国保料などが引かれて手許に渡されるため、5万円くらいになると、69歳の親戚はぼやいていました。
毎年、受給金額は変わります。平成28年は78万100円だったので年間800円ですが、少なくなっていますね。
年間800円の減少でも5年つづくと4000円減ることになりますから、食費や暖房費を節約するしかないでしょう。
厚生年金をもらえる方は、国民年金よりずっと多く受給できます。平均は約14万円です。
共稼ぎで公務員や教職員として働き、定年となった世帯はゆとりある年金生活で、私の知人も毎年、夫婦で海外旅行を楽しんでいます。
やはり年金生活も、格差があるのが実情です。
老後の生活費はいくら必要?
65歳から90歳まで夫婦ふたり暮らしで、月に28万円必要との試算があります。
わが家は、50代の夫婦ふたり暮らしですが、そうですね、住宅ローンが終われば月に25万円で生活できるのではないでしょうか。
ただ、車の買い替えや子ども達の結婚式の援助、さらに孫の誕生が加わると、かつかつになるのが目に見えていました。
ちなみに、わが家は夫婦ともに体が動く限りは働くつもりです。
シニア世代の働き方
『65歳で月収4万円。年金をもらいながらちょこっと稼ぐコツ』の本には、働く人の実態が書いています。
家事代行やスーパー、自営業で働く人よりも、介護・福祉関連、施設清掃、厨房の調理補助といった業務に就いている人が多いとのこと。
著者の阿部絢子さんは、『老いの片づけ方』などが好評な生活研究家。
70代ですが、薬剤師の資格を生かしてドラッグストアで働いていらっしゃいます。
阿部さんによると、昨今はインターネットの仕事募集サイトに登録して、仕事を探すシニアも少なくないそうです。
人材派遣のエリアマネージャーの面接で、「実年齢が65歳以上でも元気で、会話のキャッチボールができるのなら採用になることが多い」との実例が載っていました。
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これからのねらい目は家事のスキル
家事代行や子育て支援に関する業務が、これからのねらい目となりそうです。
仕事一筋で家事に割く時間がない世帯がありますし、また赤ちゃんの世話など新米ママはなにかとしんどい。
そのため子育て経験のあるシニア女性のほうが、向く仕事があるのです。
家事の外注化が進む世の中ですから、家事スキルを磨くと60代以降も重宝される人財になれるかも。
主婦なら働くことが可能で、家事や育児の経験がキャリアになると、阿部さんは断言しています。
昨今、テレビで話題の伝説の家政婦 志麻さんのようなスキルがあれば、安定した収入を得られそうです。
孫のお守りをして、新生児の世話はやはり大変と実感しました。
派遣会社の門をくぐる
本のなかで、人材会社の「パソナ ライフケア」を取材したときのことが描かれています。パソナグループには「家ごとConierge(コンシェルジュ)」という子会社があって、クライアントがどんな家事代行サービスを求めているかきめ細かくリサーチ。ニーズにあった「家事力のプライドを持つ人たち」を育ているそうです。
家事しかできないのではありません。
家事は、立派なスキル。稼げるのですよ。
履歴書をどう書くか
本には、手書きの履歴書のほうが目立ち、好印象という文が載っていました。
そして、学歴は念入りに書く。
高校の入学した年と、卒業した年を書くと良い。大学もしかり。
職歴については、会社名を省略することなく正しく。
そして、退職理由は「一身上の都合」ではなく、より具体的に書きましょう。
- 親の介護のため
- 倒産
- 事業縮小に伴う希望退職制度に応募
- 契約期間満了
それから、志望動機もとっても大切。応募理由や意欲、働く姿勢、熱意を積極的に語ると良いでしょう。
なお、添付する写真も気を使ったほうが、採用のチャンスが高まります。機械の写真より、写真屋さんのほうがおすすめです。
まとめ
60歳どころか70歳になっても働く意欲があれば、就職が可能です。
貯め代の50代の知人はこの前、渡米して就職しました。
「アメリカでは老人が、大学の事務室などでふつうに働いているので驚いたの。シニア世代の就労が当たり前であることを感じた」
日本もアメリカに倣って、生涯現役がどんどん推進されるのでしょう。
2018/07/06に更新しました。
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