2022/07/20更新しました
相続放棄の手続きは義母が亡くなった後で、夫が署名と捺印をしたので、知っていました。
この度、行政書士から書類が届いたのは「遺産分割協議書」。
自筆で署名のほか、印鑑証明を取り、実印を押す必要があります。
遺産分割協議書について、お伝えします。
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遺言書ある?ない?
私の実母は59歳のとき、脳こうそくとなりました。
そのときは後遺症がさほどではなかったのですが、70代になると脳血管性認知症となり、徐々に歩行もおぼつかなくなります。
- 78歳で高齢者施設に入所
- 81歳で肺炎のため、2022年3月に死去
認知症だったので、遺言書はありません。
ただ、面会の折に、叔父に「長男に預貯金と土地を相続させたい」と、話したそうです。
遺言書があるときは故人の遺志に基づきますが、ないときは遺産分割協議書が必要かもしれません。
母の年金額はおよそ9万円でした。
施設の入所費用は原則、母の年金から払い、不足分は父親が違う弟が負担。
シングルマザーとして働いてきた母ですが、正社員だった期間は長くありません。
理由は、祖母の介護のためパートとして長く働いたから。
脳こうそくを患い、60歳から年金を受給し、それで暮らしました。
住まいは賃貸の公営住宅。
母はとても、つましい生活ぶりでした。
遺産分割協議書
個人名に付箋を貼りましたが、遺産分割協議書に関して書類が4枚。
- 自著で署名
- 実印を押印
- 印鑑証明書を添付
- 行政書士に返送してください
この遺産分割協議書により、民法に定められた法定相続割合と異なる相続が可能とのこと。
例えば、相続人が被相続人の配偶者と子ども2人、相続財産が預貯金と自宅だったとします。この場合、民法では2分の1が配偶者、4分の1ずつが子どもの法定相続分です。自宅は物理的に分割できないため、配偶者と子ども2人の共有財産となるでしょう。 しかし、遺産分割協議で合意すれば配偶者が自宅を単独で相続し、預貯金を配偶者と子ども2人で分割することも可能です。このときに話し合った結果を対外的に証明するために、遺産分割協議書が必要です。
遺産分割協議書とは?具体的な書き方や作成時のポイント|りそなグループ
遺産分割協議書の書き方は、ネット上に雛形がたくさんあります。
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母の遺産は300坪の土地
2度の結婚に破れて、シングルマザーとして弟を育てた母なので、資産は親からもらった農地と少しの預貯金。
300坪の土地は、駅から徒歩30分。
しかも長い登り坂が続いた丘の上。
土地の売買価格はネットで調べると、およそ3万6千円とわかりました。
2年前より40パーセントも下落したのは、高齢化による人口減少も一因なのでしょう。
車がないと、不便です。
300坪を半分に分けると150坪。
土地の売却で利益が出ると、税金がかかる……。
土地の売却で「利益(譲渡所得)」が出た場合には、「譲渡所得税」と「住民税」が課税されます。
いずれも、支払うタイミングは土地売却の翌年です。 所得税・住民税を合わせた税率は、所有期間が5年を超えるときは約20%、5年以下なら約40%です。
土地売却時の税金はいつ払う?納税スケジュールと節税方法を解説|不動産売却HOME4U
なかなかむずかしいですね。
弟が全て相続する書面を了承し、署名して、実印を押印。
行政書士に返送したところです。
行政書士は、土地の名義変更も代行するのでしょう。
遺産放棄との違いは?
私は叔父に「遺産放棄をしましょうか?」と、話したことがあります。
そうしたら叔父は「貯め代さん母に借金はないよ。遺産放棄をしても良いけれど、そのメリットはさほどないだろう」と、言われました。
それでは遺産放棄と遺産分割協議書の違いは?
相続放棄は家庭裁判所において行う手続きです。
相続放棄をする相続人が家庭裁判所に対して「相続放棄の申述申立て」を行うことで、プラスの財産・マイナスの財産すべてについて放棄する(相続放棄)という効果が法的に得ることができます。
一方、遺産分割協議は家庭裁判所を関与させることなく、相続人によって行うものです。
相続放棄と遺産分割協議の違いの比較 | 司法書士・行政書士町田リーガル・ホーム
相続放棄は、相続人としての地位を失うこと。
一方、遺産分割協議書で遺産を相続しないに署名しても、相続人としての地位を失うことがない。
相続人ではなかったことにされる相続放棄と相続人としての地位を保ったままでの協議書による持ち分ゼロの違いは、協議書になかった財産が見つかったときの扱い。放棄は権利なし、持ち分ゼロはあらためて協議。
id:BUNTEN さまがブックマークで教えてくださいました。
ありがとうございます!
今回、弟は行政書士に依頼しました。
相続トラブルは多いそうです。
母は生前、私の娘たちをとても可愛がってくれました。
たくさんの思い出をありがとう。
まとめ
実は母の実家は、バブルのころに相続トラブルを抱えました。
母の兄が病で亡くなると、兄嫁が土地すべての権利を主張。
なかなか解決しなかったそうです。
それから年月を経て、土地価格は爆下がり。
遺産分割協議書により私は相続財産を一切、相続しなくても相続人としての地位を失わない。
相続についてお伝えしました。
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