少年少女への性加害が、社会を揺るがしています。
その関連でビスコンティ監督の「ベニスに死す」に、15歳で大抜擢されたビョルン・アンドレセンを思い出したのです。
2021年に公開された「世界で一番美しい少年」は、65歳になったビョルン・アンドレセンが人生をふり返るのですが、私生児として生まれ、祖母に養育された生い立ちなどにも感じ入りました。
60歳・私の推し活についてお伝えします。
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美しい15歳
「ベニスに死す」をBS・NHKプレミアムで視聴したのは今年の4月。
名作なのでタイトルを知っていましたが、映画を観たのは初めてでした。
美しいポーランド貴族の少年に、初老の音楽家が魅せられるストーリー。
1971年公開。
主演はダーク・ボガート。
ビョルン・アンドレセンの出演シーンは多いけれど、セリフはほぼありません。
スウェーデン人のビョルンはその当時、ポルトガル語やフランス語を話せなかったようです。
彼の美貌が、死の天使として描かれる大ヒット作。
タッジオ役で映画史に名を残す
画像引用元:
大人たちに性的に消費された“世界一美しい少年”~『ベニスに死す』ビョルン・アンドレセン | 毒家族に生まれて | カルチャー | ELLE [エル デジタル]
「ベニスに死す」の役名がタッジオ。
整った顔立ちに、金髪が映えますね。
15歳といえばニキビがあってもおかしくないのに、陶器のような肌。
映画の大ヒットで一躍、有名になります。
私は映画を観ても、性的に消費されたことが、当初わかりませんでした。
はい、鈍いんですよ。
よくよく見れば、ビスコンティ監督はビョルンに執拗に水着を映画のなかで着用させています。
で、男性なので股間に膨らみがあるのですね。
それに水辺のシーンが多く、裸体にバスタオルの姿も。
そういう場面から、ゲイにとってのセックスシンボルになったとか。
10代のビョルンはビスコンティ監督にゲイクラブにも連れ出され、視姦されるのが大変に辛かったそうです。
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ドキュメンタリー映画「世界で一番美しい少年」
画像参照元:
Amazonプライムで「世界一美しい少年」を見ました。
ビョルン・アンドレセンのドキュメンタリー映画。
ストックホルムに住む60代のビョルンが、賃貸アパートから追い出されそうになるピンチから、映画は始ります。
寒いからとガスコンロを付けっぱなしで寝て、掃除を全くしない汚部屋だったのです。
20歳くらい年下の恋人が手を貸して、10日間をかけて部屋をDIYできれいに。
やっと賃貸物件の契約の更新になります。
それにしてもストックホルムは家賃は高そう。
宿無しになったら、大変。
ホームレスですから。
見応えがあるドキュメンタリーで、2回観ました!
1966年に森の中の亡くなったお母さんの映像が残っていて、驚きました。
お母さんはディ・オールのモデルだったことがあるので、美人。
ビョルンの父親の名前を、最期まで明かすことがありません。
私生児だったのです。
スウェーデンの福祉が古くから、シングルマザーにも手厚いこともわかるドキュメント内容。
1960年代の北欧の暮らしぶり、敗戦国の日本より高い。
「15歳で名声を得たが、失うものが多い人生だった」とビョルン・アンドレセン。
乳児突然死症候群で息子を亡くしたことを、自分のせいだと悔いる彼は、アルコール依存とうつと戦いながら、母国で俳優のキャリアを積んできました。
「ベニスに死す」の撮影当時は、音楽学校に在籍し、音楽家でもあります。
日本で外人タレントのさきがけとして、レコードを出して、大人気だったそうです。
私は小学校の低学年だったせいか、記憶なし。
このドキュメンタリーには日本で撮影したシーンもあり、親日家のようで、うれしく感じました。
そしてビョルンは敬虔なキリスト教徒で、信仰が精神の支えなのでしょう。
人間に深みがあり、すてきな内容です。
まとめ
韓流ドラマにハマったことがなく、日本人の俳優や歌手にも詳しくなかったのですが、ビョルン・アンドレセンの映画にハマったことをお伝えしました。
名作となったビスコンティ監督の映画の原作トーマス・マンの「ベニスに死す」を
図書館から借りて、これから読みます。
映画には現実を忘れさせる力がありますね。
「ミッドサマー」もアマプラで観たいです。
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