2021/10/16更新しました
日本ではそれほどニュースになりませんが、アメリカやイギリスでは鎮痛剤オピオイドによる依存が社会問題になっています。
ケガがきっかけでオピオイド系の鎮痛剤を処方され、次第に依存するようになった高校生、あるいはアメリカ・フィラデルフィアでは、ゴミだらけのストリートに半分、気を失ったような人達がたむろしている実情があるとのこと。
鎮痛剤の依存症についてお伝えします。
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オピオイドによる依存とは?
ガンなどの病気により、堪えられない激痛のときはモルヒネを、処方されることがあります。
患者の苦痛を取り除く目的で使用されます。
モルヒネは、ケシ由来の鎮痛剤です。
ケシの花は美しいのですが、栽培が禁じられている種類があるのはご存じですか?
平成22年5月に一般園芸店を通じてソムニフェルム種が流通してしまう事例が発生しました。
ソムニフェルム種やボタンゲシは、栽培できません。
理由は、ケシの実は古くから阿片の原料でした。
精製すれば、ヘロインという違法ドラッグになります。
さて、鎮痛剤オピオイドは、ケシから抽出されるアルカロイドを含有。
アメリカでは、この25年間で40万人を越える国民が、過剰摂取で亡くなったそうです。
1996年以降、40万人を超えるアメリカ人がオピオイドの過剰摂取で死亡した。
そのうち約20万人は、病院で処方されるのと同じオピオイドで。
さらに、いまも薬害に苦しむ人が何百万人。48の州、500超の市や郡や部族政府がパーデューを提訴した。
同社からサックラー一族にもたらされたリターンは2008年以降だけで40億ドル(約4000億円/1ドル=100円換算)。ほとんどはオキシコンチンの販売であげた利益だ。
https://www.gqjapan.jp/culture/article/20191014-bitter-pill
副作用はほとんどないという宣伝で、大々的に売り出した製薬会社パーデュ。
オピオイド系鎮痛剤「オキシコンチン」は売れに売れて、パーデューの創業者一族は、大富豪になりました。
依存症となる患者が爆発的に増え、パーデューは2024年までに解散を計画とのこと。
金儲けのために合法的に、麻薬を売っていた製薬会社。
もちろん、骨折やガン、手術後の痛みにきちんと使う分には問題がありません。
日本のがん患者は、我慢に我慢をする傾向がありますが、必要なときは痛みや苦痛を取り除くことが大切なことは言うまでもないでしょう。
薬物については、厚生労働省も喚起しています。
荒廃した米国ゾンビタウン
アメリカの鎮痛剤による依存症は、私の想像をはるかに超えています。
若い人が、薬の過剰摂取で苦しみながら命を縮めるのは、見ていられませんね。
たった5日の連続服用で、依存症になるケースも米国では報告されています。
薬を過剰に飲み続けて、体も精神もボロボロ。
世界でケシ生産が盛んなのは、アフガニスタンやミャンマーなど。
紛争地帯です。
アメリカではオキシコンチンが家庭の常備薬となって、依存者が一気に増えたのです。
2016年4月、ロックスターのプリンスが死亡したとき、「鎮痛剤フェンタニルの過剰投与による中毒死」と報じられた。
フェンタニルは鎮痛、疼痛作用のあるオピオイドの一種で、モルヒネやヘロインと同じくケシから採取されるアルカロイドの合成加工物だが、処方薬として広く使われている。
アメリカは新型コロナ対策で失敗しているとされるが、オピオイド依存症によってもっと多くの生命が失われていた【橘玲の日々刻々】 | 橘玲×ZAi ONLINE海外投資の歩き方 | ザイオンライン
アメリカのフィラデルフィアといえば、かつては裕福な白人が暮す町でした。
ところが今では、荒廃した通りに白昼から、酩酊状態の依存者がたむろするように。
あまりに中毒者が多いと、町が壊れ、国の基盤がゆらぐのでしょう。
ジャーナリストが撮影して、投稿したYouTubeとのこと。
10数人がゾンビのように彷徨い歩く映像は、衝撃です。
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市販薬のかぜ薬や咳止め
ちなみに咳止めやかぜ薬のなかに、ベラドンナ総アルカロイドを配合しているものがあります。
新ルルAゴールドDX、新ルルAゴールドDX細粒のみ
ベラドンナ総アルカロイドを含有する弊社の「かぜ薬」 使用上の注意/区分変更に関するお知らせ(2015年7月)|第一三共ヘルスケア
常用しないで、症状が改善したら、服用をやめたほうが良いですね。
かぜ薬のなかには、覚醒剤の原料であるエフェドリンや麻薬の成分であるリン酸ジヒドロコデイン、興奮作用をもつカフェインなどが含まれている場合があります。
この成分は、咳や頭痛を抑える一方で、飲みすぎると眠気・疲労感がなくなり、多幸感や頭がさえたような感覚などの覚醒作用があります。
なお非オピオイドの鎮痛剤として、アセトアミトファンを含むカロナールなどがあります。
日本ではアメリカのように、市販薬でオピオイドを販売していないそうです。
医療保険会社が承認すれば適応に関係なくオピオイド鎮痛薬が処方できる米国と違い、日本では法律(麻薬及び向精神薬取締法)と保険診療規程による厳格な規制があります
オピオイド不適切使用、日本特有のリスクとは【時流◆米オピオイド危機と日本】 | 臨床ニュース | m3.com
日本で市販薬を大量に接取するオーバードーズについて、国営放送で番組が放送されました。
オーバードーズがやめられない 市販薬を大量摂取する若者たち | NHK
メチルエフェドリンも、乱用すると副作用があるそうです。
なお、市販薬を大量服用するのは、女性が多いと言う記事も。
市販薬の「大量服用」に依存する人の切実な実態 | 最新の週刊東洋経済 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース
記事には、咳止め「ブロン錠」を一度に20錠、飲んだ女性の話があり、常用した薬をやめるために、苦しんだそうです。
「眠れない」「不安がある」ときに処方される「デパス」も注意なさってください。
薬剤師が見たデパス「気軽な処方」が招いた事態 | 「合法薬物依存」の深い闇 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース
まとめ
アメリカの鎮痛剤オピオイドの依存症が、深刻なことをお伝えしました。
日本が、鎮痛剤の薬害にまみれないことを願うばかり。
薬は適切に使い、市販薬でも飲み続けないほうが良いでしょう。
体に深刻なダメージを与えます。
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