今週のお題「最近読んでるもの」
今月読んで心に残ったのは『私だけ年を取っているみたいだ。ヤングケアラーの再生日記』です。
マンガで読みやすく、とても考えさせられました。
精神疾患がある母を介護し、家事をこなす8歳の小学生が主人公なので、感想をお伝えします。
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ヤングケアラー
親に障害や病気があると、子どもが介護や家事を日常的にこなすケースがあります。
日本では中学生で17人に1人くらいの割合で、ヤングケアラーに。
ケアの対象は、親や兄弟・祖父母など。
精神疾患や依存症の親を介護する子どもは、養育が不十分だったり、貧困に直面したりするので、問題となっています。
『私だけ年を取っているみたいだ。』水谷緑著
個人が特定されないように複数の子どもの体験を織り交ぜた一冊で、一つ一つは実際にあったエピソードだそうです。
- 本の主人公は1995年当時 8歳の音田ゆい
- お母さんはゆいが2歳のとき 統合失調症を発症
- 父はサラリーマン
- 弟 小学1年生
- 父方の祖父
5人家族ですが、料理や買い物をゆいが担当。
お母さんは部屋で暴れたり、ときに子どもに包丁を向けますが、処方された薬をきちんと飲みません。
発作が起きると、妄想的になって子どもに「お父さんが浮気している。会社に行って様子を見に行け」と、強いるのです。
世間体
ゆいは母に首を絞められても、堪えるうちに感情をなくしていきます。
足には母が投げた包丁が刺さった傷跡も残る、ゆい。
そして、中学になると疲れて、日常の自分から解離するように。
父や母方の祖母は、精神疾患がある母親を世間体のため、家に閉じこめておくだけ。
高校になると、うつとなり、強制入院します。
両親が面会に来ても、ゆいの具合よりも「早く家に戻って、家事をしてくれ」という言葉に幻滅。
父の勝手な言動に「女の子だから家事を押しつけたの? 弟には何もさせないのに……父さんは狡い」と、実情を理解するのです。
私だけ年を取っているみたいだ。 ヤングケアラーの再生日記 [ 水谷 緑 ]
娘には家事をやらせても、息子にはやらせないし、父親もしない。
昔の男尊女卑は根深い。
この本を読み、私もヤングケアラーだったと思い出しました。
父と継母がパチンコ依存で、幼い妹の世話を小5から、していたから。
パチンコ三昧の親が、赤ん坊を置いて出かけるんです。
でも継母は今でも「お前の赤ちゃんの世話の仕方は、なっていなかった。おむつかぶれをして、可哀想だった」と私を責め、育児放棄の反省は一切なし(@@;)
若くして認知症になると、大変です。
『私だけ年を取っているみたいだ。」は、ヤングケアラーをテーマにしています。
子どもは声を上げることができないので、周囲の気遣いがポイントだと知りました。
秋の読書に、親子で読みたい1冊をお伝えしました。
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