友人の話です
実家のお母さん80代が、近所の高齢女性にドロボウ呼ばわりされたというのです。
「あんた、うちのタンスから服を盗んで、着ているだろう」
鬼の形相でそう怒鳴られ、びっくり仰天。
ショックを受けたそうです。
執着心と物盗られ妄想について考えます。
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ご近所トラブル
あいさつくらいの付き合いのご近所さんから、いきなり泥棒扱いされたら、誰だって困惑するでしょう。
「母が庭仕事をしていたら、ひとり暮らしの80代女性がやってきて『うちのタンスから服を盗んだのは、アンタだろう』と、言われたそうなのよ」
先日、そう話してくれました。
お父様は、8年前に亡くなって、お母様は実家にひとり暮らし。
私は「今どき、どこのお宅も服は余っているから、わざわざ盗むわけがないよね」と、感じたままを言うと、友人はため息をつくのです。
「お盆にね、その婆さんの息子さん夫婦が来て、ひとり暮らしの家を片づけたようなのよ。
古いタンスや食器棚・古新聞に大量の服を……。
それでお婆さんは、服が少なくなって、盗まれたと思い込んでいるみたい」
さらに悪いことに、お婆さんは近所中に、「あの人は泥棒だ」と言いふらしたとか。
友人のお母さんはすっかり参ってしまい、持ち家を売ろうかという話になったそうです。
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家じまい
友人の家は田舎の大きな家ですから、残置物は多く、処分には時間と費用がかかるとのこと。
一方、お母様は「地域にもう居たくない。娘のそばにアパートを借りて暮らしたい」と。
それで、友人がアパートを借りる契約をして、お母様をとりあえず住まわせたそうです。
お婆さんは認知症が疑われますが、ご本人は自覚なしとのこと。
よく同居の嫁に財布や指輪を盗まれたと騒ぐ姑の話を聞きますが、ひとり暮らしだと近所の人を疑うケースも。
物盗られ妄想とは、認知症で起きやすい被害妄想の一つで、大事な物を盗られたと訴える症状です。
多くは財布や現金、貯金通帳や宝石類など財産に関連するものを盗まれたと思い込んでしまいます。
服を盗られたと訴えるケースは、珍しいのかもしれませんが、とんだとばっちり。
「困ったのは母の年金じゃ、家賃や水道光熱費を払ったら終わりということ。
母の預貯金が尽きたら、私たち夫婦が援助をしないといけないと思うと、お先真っ暗よ」
友人は私と同じ還暦。
自分たちの老後の暮らしを見すえる時期なので、ご長寿時代の親の生活費を負担するのは、たいへんです。
まとめ
私の町は、地域全体が高齢化しています。
女性の年金は、男性に比べて低い。
それにしても物盗られ妄想は、認知症に起きやすい被害妄想。
盗られた犯人にされると、ショックに違いない。
私自身、処分したことを忘れて、探し物をすることがあるので、人ごとでない気がします。
ということで、ご近所トラブルについて、お伝えしました。
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