加藤諦三さんは、ラジオ人生相談のパーソナリティとして知られています。
また、早稲田大学の名誉教授として教壇に立ちながら、人間関係や心理についての本を出版。
私はファンで、文庫本を30冊ほど持っています。
『あなたを傷つける人の心理』『やさしさと冷たさの心理』などページをめくるたび、うなずいたり、ハッとさせられたり。
『50歳からちょっと心を休ませる本』は、働き盛りでプレッシャーも大きくなりがちな50代に向けて、心が疲れたときどうすれば良いかをアドバイス。うつになりやすい人は騙される率が高いそうです!
きょうは、私のバイブルといってもいい加藤諦三さんの著書を紹介します。
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人間の心理について加藤諦三さんが語りかける
最初に加藤諦三さんを知ったのは、車のなかで聞いたラジオの人生相談。
①「年若い女性と深い付き合いになった。妻とは慰謝料を払わずに離婚したい」
②「19歳の長女が母親の私に反抗的で、ときにアイロンで殴りかかるなど暴力をふるう。どうしたらいいか」
③「ギャンブルがやめられない夫のせいで家庭がめちゃくちゃ。子どもがいるのにどう暮らしていけばいいのですか!」
そんな相談者の生々しい声に対して、加藤諦三さんはもつれた糸をほぐすように、心理を解説しながらアドバイスをします。
相談者はたいてい自分が正しいと思っている。けれどもちょっと視点を変えることで、解決のヒントが生まれることも。
本人は自分の真の姿になかなか気づけない
私の印象に残っているのは、②の「19歳の長女が暴力をふるうんですよ」と、訴えていた母親に対して。
「あなたのお嬢さんへの接し方ですが、なにか苛立たせるようなスイッチを押していませんか?」
「何も思い当たることがありません」
そう母親は答えました。
しかし、この母親はどんなときも建前を通して、イヤミを言う人であることを加藤さんは論破。
本人はそのことに全く気付いていませんが、パーソナリティに「ほら、あなたのその言い方が相手の神経を逆なでします」と言われ、驚く。それはもうびっくり仰天なのです。
自分の言動や態度は身に深く沁み込んだものなので、指摘されないと気づけない。私はラジオを聞きながら、だれもが持っている、自分が抱える闇をのぞいてみることが解決の糸口なのだと感じました。
長年にわたり不満や小さな怒りを抑えると
『50歳からちょっと心を休ませる本』には、いつでも不機嫌で何を見ても感動しない年配者について書いています。
いますよね。
いつも何か不満そうに口許をへの字にして、何かをいうと悪口しか出てこない人は。
私はずいぶん前にエッセイ教室に通い、そういう人がいると負のオーラで教室全体がよどんで、活性化しないことを痛感したことがあります。
子ども時代の愛情飢餓を老いてからも引きずる人
エッセイ教室で不満をぶちまけるその方は当時70歳。
亡くなったご主人にも腹を立てていましたが、その根っこにあるのは幼少時に母親から適切な愛情をかけてもらえなかった寂しさだと私は理解しました。
子ども時代の愛情飢餓を高齢者になっても引きずっていたのです。
これって怖い。
なぜなら私自身は離婚家庭に育ち、実父と継母に邪険にされたことを今もよく覚えているからです。
さて、本のなかにはこうあります。
【大切なのは高齢になって、情緒的に成熟すること。
それは他者と心がふれあうことである。
愛されないで育った人はだれにでも好かれようとする。そこで、イヤなことをされても「イヤ」と言えない。その小さな不愉快が積もりに積もり、いつも怒りを抑えているから、疲れる】
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周りの人の心をよく見る
ずるい人には親切にしてはいけない
【定年前後でよく人は騙される。なぜそんなに騙されるのか?
初老期になるとうつ病になることが多い。困ったことにうつ病になりやすい人は、だいたいが騙されやすい人である。
相手に気に入られようと迎合すると、ずるい相手に心の底の弱さを見抜かれる】
相手の肩書でなく意図に関心をもつように
【名刺や肩書にばかり囚われると、騙されやすい。騙される人は、自分が舐められていることに気づかないこともある】
親から「素直でいなさい」と言われつづけて育った人こそ、騙される可能性が高い。人を疑うことを知らないから。
私はいつ騙されてもおかしくない!
人を無条件に信じやすいようなので。
一度、相手のウソを許すと舐められる
こちらがなにか親切にしたり、ゆずってあげたりすると、「こいつは騙せる」「この人には弱みがあるな」と、ズルい相手に思われることがあります。
一旦、舐められるとつぎつぎと舐められるため、相手の要求が大きくなるときは注意。
日常でもよくあることで、不動産屋や投資を持ちかける人、保険屋、近所付き合いなど、トラブルの芽を早く摘むことで災いを避けることができるでしょう。
まとめ
なんの利害なく、会いたいと思う人がいますか?
「こんな素直でやさしい人を騙してはいけない」と、感じてくれる人と心をふれあわせることが幸せの基本です。
世の中には、人を傷つけたり騙したりしても、なんとも思わない人がいるのだと、加藤諦三さんが本のなかで語っています。
お金も必要ですが、もっと大切なのは心の状態。
加藤さんの著書は、毎日を鬱々として過ごさないための気づきが書かれていて、悩める方におススメです。
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