切っても切れないのが親子の情であると、昔から言われていますね。
日本ではどんな場合でも、子どもが親に逆らうことは許しがたいという考えが根付いてきました。
しかし、成長して大人同士として接したとき、相性が合わなかったり、ひどい言葉に傷付いたりすることがあります。
なぜ親族なのにいがみ合うのかと、悲しくなることもあるでしょう。
婦人公論2019年6月25日号に草薙龍瞬僧侶が、人間の「業」に基づいて家族関係を解説。
とても参考になったので、私の体験を交えてお伝えします。
スポンサーリンク
不仲の原因は胸底にある業
業 (ごう)は、仏教やインドの教えに古くからある教え。
人間の思考と行動が、巡り巡っていろんなところに影響を与えるというものだそうです。
さて、婦人公論6月25日号は「気の合わない家族はあきらめていい」と見出しがあり、さまざまなケースを紹介。
- 親父を死に追いやった姉夫婦を、許せない玉袋筋太郎さんの手記
- ストーカーのように娘の身辺を探る母親に困り果てている読者
- 母親の身勝手さに苦しんできた村山由佳さんの思い
親や兄弟に振り回される辛さを、さまざまに告白しているんですね。
正直にいうと、私は育ててもらった実父と継母とは、訳あってここ3年ほど距離を置いています。
父は79歳、継母72歳と高齢なので気になるのですが、どうしようもないパチンコ依存者で、顔を合わせると「育ててやったのに、何の恩返しをしない」と、暗にお金を要求されるのです。
良識ある親御さんをお持ちの方には、信じられないことでしょう。
しかし、世の中には保険金目当てに肉親を殺害するケースもあるように、どんな手段を使ってもお金を手に入れたいと思う人も、存在します。
そこまで極端でなくても、支配的な親の行動や言葉により、心穏やかに暮らせない人は少なくありません。
心のクセ
僧侶の草薙龍瞬さんは、仏教の本質に基づいた家族関係の見直しをすすめています。
子どもの頃に親から叱られた経験がある方は、たくさんいるでしょう。
ところで、たえず何かに怒っている人が、あなたの身近にいませんか?
あるいは不満たらたら、人の悪口や陰口ばかりという人は?
ささいなことで怒り出す人は、心の奥底に「怒れ!怒れ!」と駆り立てているエネルギーがあるのです。
業には「善い業」と「悪い業」がありますが、肉親の関係を悪くするのは苦痛を与えがちな「悪い業」です。
求めすぎな業
「もっと欲しい」
「もっと愛して」
「もっと褒めて」
心の要求が強すぎる人は、家族や配偶者に要求を突きつけて利用しようとします。
自己中心的で、人を食い物にするタイプは求めすぎな業といえるでしょう。
関わりを持つと、たいていこちらが消耗させられるのです。
スポンサーリンク
怒りの業
自分では気づかないでしょうが、深い怒りを腹の中に溜め込んでいるのが、怒りの業をを抱えた人です。
過去に挫折があったとか、幼少期に適切な愛情を受けることがあまりなかったとか、原因は人それぞれ。
怒りの業を抱えた人が親になると、子どもをこっぴどく叱ることが多くなり、子どもはビクビクと大人の顔色をうかがうように。
「しつけのつもりだった」
なかにはそんな言い訳で、激しい暴行を子どもや配偶者に対して加えることがあるので、要注意です。
妄想の業
いつも何かを妄想している人は、白昼夢を見ていることもしばしばです。
自分の感じ方や考え方にこだわって、実際の相手を見たり、話を聞いたりできません。
ネガティブな妄想を抱くと、不安や猜疑心が強くなることも。
このタイプに関わると、自分のことを理解してもらえなくて、ストレスが募るでしょう。
自己否定の業
「自分は価値が低い」と、思いがちな人。
価値があるか、ないかで判断しがちなので、人と比べたり他人をすぐ判断したり。
こういう親は子どもに対しても「だから、あんたはダメなのよ」とか、「どうせできない」とか、足を引っ張る言葉が多くなります。
なにごとにも消極的な家族となり、家の中が閉ざされた空気になる傾向も。
関係希薄の業
人付き合いが苦手で、どう付き合えばよいかわからないタイプ。
そもそも育った家庭でも極端に会話が少ないと、その人は他人と関わるコミュニケーション能力が育ちません。
人付き合いが苦手過ぎて、ストレスを感じるため、学校や職場の人間関係に支障をきたすのです。
傲慢の業
常に自分が正しく、人の意見に耳を傾けることがない。
人よりも自分のほうが優れていると考えて、尊大になりがち。
世の中にはさまざまな意見や味方があるけれど、傲慢の業の人はぴんとこない。
親が傲慢の業だと、子どもは苦労します。
同じように尊大になるか、反対に権威に従順になるか。
なかには親を嫌悪して、怒りの業を腹の中に溜めることもあります。
理解の仕方
婦人公論のなかで草薙僧侶は、こう断言しています。
「親子だから離れられないとか、面倒を見なくてはいけないとか、それらは妄想にすぎない。
離れてもいいのに、離れない最大の理由は執着です」
「愛されたい、嫌われたくない、わかり合いたいと願い、相手に執着すれば、相手は業で返す。その結果、否定されて、傷つけられ、怒りを覚えるのですよ」
業はひとつでなく、複合して抱えている方がほとんどとのこと。
認めることがスタート
私はあの人から苦しめられたとか、自尊心をいつも傷つけられたと、まず認識するが自己回復のスタートです。
- 相手と距離を置く
- 自身の執着に気づいて、関係を客観視する
- 心の自由を守りつつ、上手に関わる
心がラクになるように、自然や動物に触れる・食べる・出かけることを心から楽しむと、徐々に執着を手放すことができるのです。
もう充分に苦しんだ
家庭の数ほど、さまざまな事情がありますから、長年苦しんだ人は少なくありません。
まずは「もう充分に悩み、苦しんだ」と、自分を抱き締めませんか。
バスタイムのとき足の先まで丁寧に手入れするのも良いし、自分の好きなことに没頭するのも良いでしょう。
これからはだれの犠牲になることなく、もっと自由に生きましょう。
最後にそう結ばれていました。
相手を見抜く
親との関係を見直すと、「親子じゃないか、仲良くしろよ」とか、あるいは「親を見捨てるなんてひどい」と、他者から非難されることもあります。
それまで親子関係に悩んでいた私は、継母の一言で目が醒めました。
「子どもを大学にやるお金があるのなら、借金の肩代わりをしてほしい。それが娘としてのあんたの義務だ」
【娘のきもち】毒親からの歪んだ愛情。家族が歪みに気づくまで20年必要だった原因とは~その2~ | サライ.jp|小学館の雑誌『サライ』公式サイト
なぜ、私が親によるパチンコなどの遊興費や、借金を負わなければならないのだろう。
そんなことは知人や友人の誰にも相談できません。
ずいぶんと悩んだ私は加藤諦三の文庫本で、心の回復を学びました。
ラジオ「人生相談」パーソナリティーの加藤諦三は、300冊以上の本を書いています。
私はブックオフで買い集めて、繰り返し読みました。
自己啓発のセミナーを受講したり、カウンセリングを受けたりすることは効果的ですが、いかんせん費用がかかります。
リサイクル書籍から人間心理を学ぶことは、もっともお金がかかりませんでした。
加藤諦三さんの本は、読みやすくて手に入りやすいので、おすすめ。
ということで今回、婦人公論の記事を読んで、家族について草薙僧侶の「業」を用いた解説が新鮮でした。
まとめ
家族関係は良好だと幸せですが、そうでないと深刻なトラブルになります。
私は親の借金・肩代わりを断ったところ、逆恨みされてしまいました。
親戚中にあることないことを言いふらされてましたが、反論はせずに堪えるしかなかった。
もう充分に苦しんだと、自分でも感じています。
家族観については悩む方が多いらしく、婦人公論で特集が組まれていたので、体験とともに、かいつまんで内容をお伝えしました。
関連記事をいかがですか
スポンサーリンク