2021/09/25更新しました
子どもって、お金さえあればちゃんと育つかといえば、やっぱり愛情とか温かな心のふれ合いが大切だと、きのう強く感じました。
というのは私の子どもと同級生の男性が、都会に疲れて故郷の町に帰っています。
次男坊で27歳になる若者です。実家は手堅い会社を経営していて、資産家。
近所なので、私はその若者を小さな頃から知っていました。
根は気持ちの優しい人ですが、残念なことに大人になってどんどん、真っ当な道を踏み外しています。
実家から出入り禁止を言い渡されて、絶縁。
肉親の愛憎について考えたいと思います。
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冷たい家族
彼の父親は現在50代後半で、2代目社長。
彼が3歳くらいのとき前妻と離婚して、20代の女性と再婚し、今に至ります。
幼かった彼は父親に引き取られて、祖父母に育てられました。
おばあちゃんは初孫である上の子を可愛がりましたが、息子の次男である彼のことを毛嫌い。
「前の嫁にそっくりで可愛げがない。面倒なんかみたくないから、嫁が引き取ればいいと思っていたのに、向こうがふたりの子どもの親権を放棄したのよ」
当時おばあちゃんは、私にそう語りました。
おばあちゃんと書きましたが、当時も今もおしゃれなマダムです。
髪を栗色に染めて、いつもキレイにメイク。デパートから購入した、洗練されたセンスの服を着こなしています。
品の良いマダムですが、孫である彼のことを話すときは口がひん曲がっていました。
「全然言うことを聞かない、ほんと憎たらしい」
いたいけな子どもに罪はないのにね。
彼は目のくりっとした、めんこい顔立ちの男の子で、やんちゃなところがありましたが、ごくふつうの幼児でした。
空回りの青春
いつも愛情に飢えていた彼はサッカーに打ち込みましたが、万引きが見つかり、高校中退。
東京で働き、転職を繰り返して、遺品整理の仕事に就いていたとか。
それも見切りを付けて、故郷に舞い戻ったのです。
178センチの長身はすらりとしていますし、なかなかのイケメン。
私の町はまだ肌寒いのですが、上着を取ると腕に彫ったタトゥーが……。
「これ、ハリウッドで活躍している彫り師の元で修行した人に、やってもらった」
田舎だから、かなり浮いた存在です。
夜の繁華街によく出入りして、町の顔役に面倒を見てもらっているみたい。
よそ様のことながら心配です。
実家への愛着あり
「東京はヤバいっす。おれ、ゴミを片づける仕事で芸能人の家も行ったから、タレントの家を知っているけど、みんな闇っす」なんて話を、近所のおばちゃんである私にするのですね。
それから「家を後妻が乗っ取っている。性悪女で、父親の財産を食い潰そうとしている」
「親父は俺に家に一歩も入るなって言うんだぜ。血のつながった息子なのに、血も涙もない」と、愚痴る、愚痴る。
彼が話すままに聞くうちに、なんとも言えない気分になります。
体は大人だけれど、親の愛を強烈に欲している。
父親と後妻はもう彼に関わりたくないでしょう。後妻との間にも子どもがいますし。
おばあちゃんは存命ですが、昔から嫌って、いじめ抜いたし。
彼は居場所がないんです。
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自立して生きるんだ
自分の息子だったら、説教したり叱ったりもしますが、他人様なので私にできることはせいぜい話を聞くことしかできません。
傾聴だけですね。
話すことで彼の鬱屈が晴れるといいけれど、実家への執着が強いようなので、しばらくは町に居着くかもしれません。
この町の出身者だから、居てもいいんだ。
でも、親に愛を求めてもむなしさが増すのではないかしら。
「27歳で五体満足なのだから、真っ当な道を切り開きなよ」
遠ざかる後ろ姿にそっと語りかける、聞こえはしないでしょうが。
大人になっても心は幼いまま
この若者とは別件ですが、春の雪解けの時期に自死された50歳の方も近所にいます。
メンタルの病気で入院し、退院後はひとり暮らしのアパートへ戻ってきました。
この方は、80代の母親が入所する施設の玄関先で暴れたことも。
「自分は子どもの頃から冷たくされた。金をよこせ、ババア」というふうに。
大人になっても心が幼いままというケースがあります。
私にもそういうところは多々あるでしょう。
子育てやメンタル関連の記事を下記 に貼りますので、よかったらご覧下さい。
安心できる居場所
27歳の若者は、今も親の愛情と実家に自分の居場所が欲しくて堪らないように映りました。
そのときそのときに温かな心の交流が欠落すると、その後の人生に陰に落とすことがあるとつくづく思います。
でも、彼はまだやり直せる年齢ですから、安心できる居場所を自ら作ってほしい。
おばちゃんは何もできないけれど、あんたの幸運を祈っているよ。
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