2023/01/20更新しました。
テレビ番組のキャスターが年金問題に言及して、騒然となりました。
「国民年金だけを受給する方は2,000万円でなく、5,000万円が必要です」
「満額の受給でも月々6万5千円の国民年金ですから、それだけでは到底暮らせないことは、わかっていることです」
5,000万円!
あまりに大きな金額で呆然としたのは、私だけでしょうか?
一体、老後に必要な生活費はいくらなのだろうと思います。
簡単な計算方法があるので、お伝えします。
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国民年金・受給者の老後
年金だけでは生活するのに2,000万円不足どころか、国民年金の受給者は5,000万円足りない。
驚愕の金額に、私は青ざめて頭がクラクラしました。
もともと国民年金は農家や自営業者むけの年金。
定年がなく70代になっても、収入を見込める人たちが加入することを前提でした。
しかし、パートや非正規の方々が増えて、今は加入者の4割を占めるとされています。
受給額は?
年金は平成29年8月から、合計の加入期間が10年以上あれば、受け取ることができるようになりました。
120カ月以上あると、年金を受け取れます。
老齢基礎年金は、納付状況により受給できる額がことなり、40年間欠かさずに納付した方は、満額78万100円(年額)となります。
ちなみに国民年金の目安額は以下の通り。
- 納付年数が10年だと195,025円(すべて年額)
- 15年は29,538円
- 20年は390,050円
- 25年は487,563円
- 30年は585,075円
- 35年は682,588円
- 40年で780,100円
参照元は信用金庫が発行した「年金お役に立つ知識」
*納付が困難なときは免除してもらうと、加入期間には含まれるので、ぜひ手続きしてください。
寿命の伸び
そして、もうひとつ想定外なのが、日本人の寿命の伸びですね。
戦後まもないころは50代で寿命が尽きましたが、現在は90代でもかくしゃくとしているご年配が多い。
100歳まで生きる方が2012年で5万人を超えています。
ですから、20歳から60歳まで年金保険料を負担して、その後の長い老後を年金だけで暮らすとなると、少子高齢化の時代ですから、国の財政負担が雪だるま式に増えてしまいます。
ちなみに女性の2人に1人は90歳まで生きると厚生労働省が明言。
厚生労働省:今週の政策レポート「長寿医療制度をあらためてご説明します」
農家や自営業者は65歳までといわず、70代でも80代でも働き続けて、リタイア後の生活資金を積み上げることがポイントとなります。
では、資産や生活費を洗い出すにはどうしたらよいのでしょう。
資産寿命
週刊ポスト7月12日号に、「60歳からの生活費寿命シート」が載っていました。
私は永久保存版の文字につられ、その号を買ったのです。
年代別「資産寿命」の考え方。
60歳~64歳は資産が増やせる期間。
- 60歳で定年となり、退職金を受け取っても、働き方を工夫すれば給与収入を増やせる。
- 65歳~69歳は、年金収入と支出のバランスを考えること。
資産の目減りを防ぐために、生活費を抑制することがポイントになります。
70歳以降は医療費と介護の突然の出費に備える時期。
そう週刊ポスト7月12日号の41ページにありました。
私の夫は還暦を迎えましたが、まだ資産が増やせる時期と知り、少しホッとしました。
60歳時点の総資産は?
老後の暮らしを考える上で、重要なのが60歳時点で資産がいくらなのか。
- 持ち家なら不動産価格を、土地と建物で価値を調べる
- 住宅ローンの残債を引く
- 退職金
- 預貯金
- 終身保険等
例えば、退職金2千万円+預貯金500万円+不動産1500万円ー住宅ローンやその他の借金というふうに試算すると、おおよその額がわかりますね。
もしも60歳以降も子どもの教育費がかかるときは、資産の額から引いたほうが正確にでるかもしれません。
わが家は退職金がありません。
あるのは老朽化した持ち家だけですから、かなり厳しいです。
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60歳以降の収支
60歳以降も働けるのなら、概算を計算してみましょう。
夫の給与+妻の給与+特別支給の年金額=収入
支出は現役時代の8割ほどが、60歳以降の生活費のめどとなります。
賃貸しの場合は家賃と更新料も必要になりますね。
たとえば自営業者なら夫婦で年間200万円の収入があれば、5年間で1000万円になる。
これが年間400万円あれば、5年間で2000万円になります。
地方は衰退がはげしくて、自営業者は売り上げが伸びていないケースがほとんどですが、廃業しないかぎりは続けることが可能。
とりあえず健康に気をつけて、少しでも長く働くことができれば、希望が見えてきます。
ところが、糖尿病や脳疾患等の大病が、60代でふりかかると国民年金の人は困ってしまいます。
子どもや親戚からの援助が期待できず、暮らしていけないときは、お近くの地域包括センターへ相談してみてください。
ケアプランの相談に応じてくれるでしょう。
健康維持のために、食生活の見直しは必須です。
炭酸飲料をがぶ飲みする方は、お茶か水にしたほうが血糖値の安定につながります。
車を手放すとお金は浮く
老後の生活費寿命を延ばすため、週刊ポストでは車を手放すにはいくら浮くのかを試算しています。
- 駐車場代
- ガソリン代 年9・6万円
- 自動車保険 年6万円
- 自動車税 年3・45万円
- 車検代 年5万円
戸建ての場合は駐車場代がいりませんから、おおよそ24万円も浮く計算に。
ただし、地方だと交通の便がとても悪いので、車を手放せないケースは多いです。
わが家も車の買い換えで目下、夫と抗争中(@@;)
仁義なき戦いですよ(涙)
老人ホーム入居
介護付き有料老人ホームだと入居の際に一時金として300万円、利用料などは月々24万円として試算されていました。
10年入居すれば約3180万円。
特別養護老人ホームは入居一時金は0円、月額は世帯収入によって違うのですが、15万円ほどで計算されて、10年で約1800万円だとか。
上記の数値が週刊ポストに掲載されていたんですね。
ちなみに入居時の平均年齢は84歳だそうです。
しかし、特別養護老人ホームは入所希望者が多くて、待機されている方が相当います。
そして、介護認定の重い方が優先されるので、10年も生存できるか私は疑問を持ちました。
一方、先日に介護の仕事をしている知人に聞くと、「やはり老後にお金がないと、たいへん」と話してくれたのです。
「生活保護の方も入所できるホームがありますが、人数枠が施設ごとに決まっていますし、お金がないと受けたい介護サービスを受けられないことは現実にありますよ」
老後の生活の質は、お金次第かもしれません。
厚生年金にくらべると、受給額が低い国民年金の方は、生涯現役のつもりで働くことがリスクを減らします。
老いてから経済的に厳しいときは、市役所や地域包括センターまたは社会福祉協議会に相談すると、解決の道筋が明らかになる可能性があります。
いずれにしても見栄を張った暮らしをせずに、生活費を抑制すれなば資産寿命を延ばすことができるに違いありません。
まとめ
国民年金しか受給できない人は5,000万円足りないという報道に、私はショックを覚えています。
60歳の時点で5,000万円の資産を持つ自営業者は、富裕層ではないでしょうか。
私が知らないだけでみなさん、お持ちなのかもしれません。
週刊ポストに資産寿命の考え方があったので、かいつまんでお伝えした次第です。
毎日の生活費をいかに抑制させるかがポイントとなり、資産寿命は暮らしのコストを下げることで延ばすことが可能です。
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