タイトルに惹かれて手に取った『徹底してお金を使わないフランス人から学んだ本当の贅沢』は吉村葉子さんの著書です。
新婚からの20年間をフランスに暮らし娘さんを生み育て、帰国後は神楽坂でカフェ「ジョルジュ・サンド」を経営したこともあります。
そんな吉村さんの暮らしのエッセンスが詰まった1冊で、華やかに見えるけれど、とても堅実な生活ぶりのフランス人について語っています。
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フランス人が太らない理由
ジョルジュ・サンドはフランスの女流作家でショパンの愛人だったことでも知られています。カフェの名前を波乱に満ちた小説家にちなむとは、さすが!
さてフランス料理といえば、バターと生クリームを使ったこってりソースや、煮詰めた赤ワインがからまった肉の塊を思い浮かべませんか。
バターとチーズの消費量が多い国です。
仲間との会食が好きなパリジェンヌたちは、午前零時過ぎまでたらふく食べて飲んで、おしゃべりの花を咲かせるのだそうです。
でも、太らない。
パリの石畳をさっそうと歩くさまざまな年代のパリジェンヌは、まるでダイエットの秘薬をポケットにしのばせているみたい。
理由はちゃんとあります。
食べ過ぎた翌日はほぼ断食状態。
朝はコーヒー。
お昼と夜はリンゴだけ。
ミネラルウォーターをたくさん飲んで、排せつをうながして体重計の針を元に戻すのだと、書かれていました。
そうか……毎食、満腹まで食べていたら太る一方ですね……。
ふだんは質素
「ごちそうはたまに食べるから、美味しい」
フランス人の普段の食事は質素だとか。
平日の夕食は、例えばグリーンサラダ・ハム・パン・ヨーグルト。
栄養バランスは1日30品目ではなく、1週間で帳尻をあわせて。
ああ、私は食べ過ぎなんだと、ひとりで納得。
忘年会の翌日は、リンゴだけで過ごしてみようかしら。
手間をかけずに片づける秘訣
著者は、友だちや知人を家に招いて、お茶とお菓子でもてなすことがよくあるそうです。これはフランスの習慣であり、フランス人が片づけ上手なのは、お客様を招き慣れているから。
「目に触れるリビングとダイニング、トイレさえきれいになっていたら大丈夫。お客さんが無断で夫婦の寝室に入ることはまずありませんもの」
なるほど。
しかし、雪国暮らしわが家はリビングに洗濯物が掛けてあって、生活感たっぷり(-_-;)
ちょっとハードルが高い。
日本とは金銭感覚が違うフランス人
参考写真
民衆がフランス革命を蜂起して王制を倒し、マリーアントワネットをギロチンにかけたお国です。
はい、少女時代に池田理代子さんの漫画『ベルサイユのバラ』が大好きでした。フランスへは私、旅したことがありませんが。
『徹底してお金を使わないフランス人から学んだ本当の贅沢』によると、日本とは金銭感覚が違うと。
徹底した締まり屋で、食べるもの以外は買いたくない。
財布からお金を出すのが心底いや。
生きがいはバカンスですが、お土産を買うことはしません。
一方の日本人は、好きなモノを買うためのお金と捉えがちで、買い物が好き。
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食に手間をかける
参考写真は鴨料理 。
フランス人は倹約家ですが、食へのこだわりは強い。
手間をかけて肉を煮込み、ソースを作ります。
本には吉村さんお手製のリエットと呼ばれる豚肉のパテや牛肉の赤ワイン煮のレシピとコツが載っていました。
クリスマス料理の参考にもってこいかも。
さらに吉村さんの得意はデザート作り。
ガトーショコラはいつ食べても美味しく、誰にさし上げても喜ばれるとのこと。
リッツ・エスコフィエ料理学校のレシピで、これまで数千回も作ったコツが載っていました。
暮らしを楽しむ
ベッドカバーは買うと高いけれど、布地を購入して楽しみながらミシンで縫うと安上がり。
ハンドメイドで生活空間を彩るのが吉村流。
また、フランスではタクシーの運転手(男性)が客待ちの間に編み物をするケースも。
「奥さんや子どもの喜ぶ顔が見たいからね」
お金をかけずに暮らしを楽しみ、人生を謳歌しているでしょう。
フランス流の節約術は 、日本人に注目されています。
家族のためなら豪勢に
パーティやお祭りのようなハレの日には、そんな倹約家のフランス人もパーッと散財。
とくに結婚式は、日本と違いご祝儀の習慣はなく新郎新婦の親が負担することが多いとのこと。
事実婚が少なくない国なので、結婚式自体がそんなにありません。
だからこそ親戚が一堂に会す披露宴を盛大にという希望があり、大盤振る舞い。午前2時まで延々とつづくこともあるそうです、親の持ち出しで。
「私たち一族の親睦と繁栄のためにお金が使えたのだから本望です」
なかなか言えませんよ。
ほんと、金銭感覚が違いますね!
まとめ
コト消費という言葉がありますけれど、私がこの本を読んで感じたのは、本当の贅沢とは暮らし方を楽しみ、満足するということ。
お金をかけなくても、考え方ひとつで贅沢な時間を過ごせるはず。
カラー写真も豊富で、ページをめくるたびにフランスの香りが漂う心地にさせてくれる一冊です。
2019年2月9日、更新しました。
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