2023/02/12更新しました
30年ほど前は結婚に際して、着物をそろえてあげる親御さんが多かったのですが、娘だった女性たちも、すでに50代後半から60代。
着物を「買い取り」に出すのが、ブームの昨今です。
「買うときは30万円もしたのに、たった千円にしかならなかった」という声も。
私が服を減らせたのは、着物を好きになってから。
日本は元々、ミニマリストの国だったと考える理由をお伝えします。
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虫干しで長持ちする和服
秋晴れの日に着物に風を通すと、絹地の風合いが変わらないので私は毎年、たとう紙から出して虫干し。
画像右から大島紬、真ん中が結城紬、左のえんじ系は山形・米琉絣の置賜紬でしょうか。
アンティーク着物ばかりです。
着物が好きになったのは49歳のとき。
持っている大半は、姑や伯母からの頂き物や、リサイクルショップやネットで買った着物たち。
それと婚礼のとき、あつらえてもらった留袖・訪問着・喪服です。
着物にハマったのは娘たちが巣立ち、心にポッカリと穴が開いた時期。
オフハウスで見かけた小紋を3千円で買ったのをきっかけに、ひとりで着付けの練習を始めます。
22歳のとき着付けを4カ月習いましたが、すっかり忘れてしまい、自学自習で覚えました。
着物のメリット
画像の大島は、イチロウヤというネットサイトから購入。
はてなブロガーだった和田一郎さんが経営していましたが、2年ほど前に廃業。
一元(ひともと)式の絣が緻密です。
赤いモミジが入っているため、着るとしたら秋でしょう。
自分で着てみました
季節感を大切にした日本人。
とても着やすい紬です。
着丈160センチ・裄丈64・5センチで、サイズがちょうど良かった。
実は、私が着物を惹かれる理由は、小柄で服が似合わないから。
153センチ体重53~54キロのぽっちゃり体型(>o<)
ビア樽のような体型が、着物だと補正ナシで、ちょうどいい。
着物好きになり、針を手にすることが増えました。
手縫いでチクチク。
簡単に着るコツ
肉付きの良さを、着物と帯が隠してくれます。
帯は、フリーマーケットでゲットした名古屋帯なので、自分で作り帯にしました。
胴に巻き付けたら、お太鼓部分を背負うだけで、一応の形になる。
とはいえ帯に鋏を入れるので、邪道です。
簡単に着ることが可能ですが。
切らずに作れる作り帯の方法は、YouTubeを記事の最後に貼りますね。
ところで、私を可愛がってくれた祖母は、着物を大切にしていました。
生きていたら100歳くらい。
祖母は35年前に65歳で亡くなりました、胃がんで。
- 祖母の着物は枚数が多くなかった。
- 服も、そんなに持っていなかった。
- いつも家の中を掃除をしていた
- 笑顔を絶やさなかった
祖母は亡くなっても、私の中に生きています。
そんな私は着物が好きになって、服への執着がなくなりました。
クローゼットにある服を使い倒すことで、買わない生活をしています。
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日本はミニマリストの国
ミニマリストを提唱した欧米人は、日本の禅を知り、物を削ぎ落としました。
ということは日本は元々、ミニマリストの国です。
戦前戦後まで、庶民は着たきりすずめが「ふつう」。
すり切れた衣服を、繕いながら暮してきた。
それが大量生産・大量消費により、モノがあふれてしまったのでしょう。
田中優子さんの「布のちから」が文庫本に♫
日本人の布への思いが理解できる良書が1,000円以下とは!
九州の民俗研究家・掘切辰一さんの本。
木綿の哀史です。
戦前戦後の困難な時代、女性は地位が低く、生き辛かったことがわかります。
東北の民俗研究家・田中忠三郎さんの本。
北東北で栽培できる麻の物語。
ボロにボロを重ねて寒さに耐えた庶民の生活史は、涙なくして読めません。
作り帯は、礼装用の袋帯でなく、名古屋帯がおすすめ。
まとめ
着物を買い取りに出す方が多い昨今。
ちょっと寂しい気がしています。
理由は日本人が着物を忘れてしまったら、この地球から消えるから。
日本の民族衣装には、歴史が秘められています。
服への執着をなくすことができたのは、着物のおかげなので、私はもうしばらく手元に置いて、手入れをしながら着て歩きたいと思います。
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