年末の少し前に、図書館から借りたのが垣谷美雨著『女たちの避難所』です。
東日本大震災での避難所生活をテーマにした、人間ドラマ。
能登半島大地震でたくさんの方々が避難を余儀なくされている今、とても考えさせられた1冊なので、レビューします。
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女たちの避難所
作家の垣谷美雨著の本と言えば「老後の資金がありません」が有名ですね。
映画化された原作ですから。
1959年生まれの垣谷さんが、2014年に発表したのが、『避難所』。
三陸の架空の町・避難所が舞台です。
- 車を運転中に津波に吞まれて、九死に一生を得た椿原福子
- 月齢の小さな赤ちゃんを抱えた美貌のお母さん:遠乃
- 海辺でスナックを営んでいた渚と昌也の母子
避難所となった体育館で出会うのです。
福子は55歳。
働かない夫と暮らし、パート勤めで息子達を育て上げました。
一方、美貌の遠乃は津波で夫と姑を亡くしたことで、尊大な舅から責められます。
「お前が子どもだけ抱いて逃げた」と。
そして中学生の昌也は、福子に助けられ、母と再会を果たすのです。
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長引く避難生活
命からがら身一つで避難してきた福子ですが、夫が生存していました。
しかし、夫は被災者が受け取れる義援金を独り占め。
見栄っ張りな夫は外車を買い、福子を落胆させます。
遠乃はというと、世帯主である舅が弔慰金や義援金を独占し、目の前が真っ暗に。
「無学な嫁に金は渡せねえ。おれが管理する」の一点張り。
おまけに、ろくでなしの義兄とむりやり再婚させられそうになるのです。
長引く避難生活で福子達は疲れ果てます。
そんなとき遠乃はレイプ被害に遭いそうに。
「避難所での強姦、強姦未遂も報告されていますが、それ以外では例えば授乳するところをジッと見られた、ストーカー行為をされたという話もありました。
避難所での性被害は、大問題。
女性はもちろん男児や女児も気をつけることが大切です。
60代の女性も被害に遭った報告があるため、シニアでもひとりでトイレに行かずに、複数人で行動しましょう。
これ以上の本の内容はネタばれになるので、差し控えますが、避難所での性被害はボランティアにも及ぶケースがあるとか。
ボランティアは崇高な行動ですが、若い女性にはリスクとなることがあるので、重々、お気を付けて。
男尊女卑の古い考えや、地域のしがらみなどが色濃く描かれている作品です。
妻をタダで使える奴隷だと思っている昭和生まれの夫は、案外、多いですね。
まとめ
日本はいつだれが地震の被害や津波に遭うか、知れません。
『女たちの避難所』は、災害時の心理状態や人間ドラマが描かれて勉強になる本なので、ネタばれしないレビューをお伝えしました。
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