2024年6月26日
かつての私は自分の意思を口で言い表すことが苦手で、理不尽な要求をされても、全く反抗ができないタイプでした。
でも、ストレスが溜まるし、相手からの要求はひどくなるしで、鬱屈していた時期があります。
『キレる!脳科学から見た「メカニズム」「対処法」「活用術」』は中野信子さんが書いた新書。
相手がキレたときの上手なかわし方がとても勉強になったので、感想をお伝えします。
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キレるとは?
『キレる!脳科学から見た「メカニズム」「対処法」「活用術」』の著者は、 脳科学者の中野信子さん。
1975年生まれの中野信子さんは、「サイコパス」や「人はいじめをやめられない」など、社会問題を脳科学から読み解いています。
キレる人が身近にいると、萎縮しませんか?
私は実父(79歳)が、すぐキレる人です。
昔から気に入らないことがあると、こめかみに青筋を立てて、口汚くののしることが日常的にありました。
子どもに向かって、恫喝です。
父にかぎらず、そういう人は少なくないかもしれません。
さて、そのキレるとは、どういう精神状態なのでしょうか。
キレるということの正体は、怒り。
これは人が生まれながらに持つ、自然な感情。
感情をコントロールできるか、できないかが問題なのです。
我慢すると舐められる
私はキレる父が恐いので、じっと我慢することが子どものときからありました。
しかし、父の要求はどんどんひどくなって、小学校の高学年になると、放課後や日曜に友達と遊ぶことを一切禁止。
それで、やらされたのが家事全般と、生まれて間もない腹違いの妹の世話です。
「いやだ」と言うことができませんでした。
叩かれたり、怒鳴られたりするより、従っていた方が楽で、痛い思いをしませんから。
ところで、中野信子さんは、本のなかにこう書いています。
人と接していれば、必ず意見が合わないことがあります。
意見が合わないときに、相手に合わせて、自分が我慢すれば丸く収まると思う人もいるでしょう。
相手に悪意がないときはそれで収まることもあるかもしれません。
でも、悪意がある場合は、相手にいいように利用されてしまうことにもなります。
参照元:キレる!脳科学からメカニズム・対処法・活用術
言い返さない人は、いじめの対象になりやすい。
いじられたり、からかわれても反撃できない。
やった相手は、やられた人の反応をみて、反撃できないと知ると、エスカレートするそうです。
それは学校や職場だけでなく、友人や親族同士の付き合いでも起こるに違いありません。
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脳の機能低下と関連
戦うホルモンであるアドレナリンの量が、キレやすさを左右しています。
若い思春期の男女が、キレやすいのは闘争ホルモンが高じやすいからでしょう。
それでは、シニアや高齢者がキレやすくなるのは?
脳の前頭前野の衰えが関連していると、本にありました。
思考する、行動を抑制する、意思決定の前頭前野が老化して萎縮。
老化で頑固になる理由は、前頭葉が萎縮して、その場に合わせた対応ができなくなるからだそうです。
精神と体は柔軟に保ちたいですね。
脳の萎縮だなんて、ゾッとします。
初めが肝心
いじめられたくなかったら、早い段階で
- 「イヤです」
- 「不快です」
そう意思表示をすることがポイントです。
さらりと「私、呼び捨てにされるのは嫌いなんです」と言えたら、相手は「こいつはちょっと思い通りにならないタイプだな」と、感じるはず。
反論しにくいのなら、眼力でジッと冷静に目を見つめても効果があるでしょう。
どうせ、相手は自分を下にみているのですから、嫌われることを恐れることはありません。
こじれる前の初動が肝心になります。
最初の理不尽に怒りを覚えたら、
- 正しくキレて、
- ハッキリと言い返す
それでも相手が改まらないようであれば、そんな組織、集団に身を置かないほうが賢明です。
都合のいい人にならないで!
キレられっぱなしはダメ!
この本は、理不尽な要求を、受け入れてしまいがちな方に、特にオススメ。
素直すぎる人は、人から利用されっぱなし、搾取され放題となりやすいので、ご注意を。
☆ユーモア
中野信子さんがご主人の言葉を書いているページが、とても参考になりました 。
夫婦げんかをして、つい信子さんが「頭がわるいんじゃないの!」とキレると、ご主人は「どちらかというと、胃がわるい」とか、「腰がわるい」などユーモアで切り返すそうです。
さらっとユーモアで返されたら、キレた側もふっと力が抜けますね。
まとめ
日本人は、昔から上の立場にある人には、逆らわないことを美徳としてきました。
どんな理不尽にも耐えて、滅私奉公がたたえられてきた歴史もあります。
しかし、それは世界では異常なことで、通用しません。
自分の意見をはっきりと言う勇気が必要な時代。
『キレる!脳科学から見たメカニズム・対処法・活用術』の本は中信子さんの新書。
キレる上司や年長者に対して、何も言い返せないおとなしい性格の方に、特におすすめの一冊です。
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