老年期は最大にして、最後の格差社会という声があります。
低年金といっても月に5万円で自活できる方は、幸いと言えそう。
年金がわずか過ぎて、3食きちんと摂れない高齢者が増えています。
還暦が目前の私にとっても、他人ごとではない高齢者の貧困について考えます。
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低年金
自営業やフリーランスだと、国民年金だけなので受給額は低い。
国民年金は40年間払い続けて、年間77万7800円を受け取れるはず……。
そこから国保や介護保険料などが引かれて、手元にくるのは月々5万9000円前後。
満額を納めても、5万円台なのです。
持ち家なら、さらに固定資産税を納めなければならないし、顔面蒼白になりますね。
なので小規模共済や国民年金基金・iDeCoに加入して積み立てることが老後貧困を避けるポイントになります。
しかしながら、夫婦で自営業だとふたり分・年間40万円ほどの国民年金保険料を払うのはたいへん。
これは実感です。
老親の生活保護の申請を子どもが拒む
今回お話しするのは、自営業の夫が亡くなり、80歳を過ぎてひとり暮らしの女性のことです。
無年金ではないけれど、とても少なく月に3万円くらいしか年金がありません。
子どもは50代と60代の子がふたり。
ひとりは都会で暮らし、ひとりは地元にいて別世帯です。
年金が少なくて、生活保護の受給額よりも低いときは、持ち家でも申請が可能。
それはあくまでも本人に資産がないことが条件です。
- 預貯金なら5万円ほど。
- 車はない
- 家賃を得られる賃貸物件などを持っていない
株券などを持っている方は資産を整理して、それでも困窮しているときのみ申請できます。
自治体の審査の上で生活保護が受けられるかどうかの判断になるでしょう。
役所の水際作戦はコロナ禍以降、緩和の傾向です。
ところが、この女性は本人が希望しても、申請すらできないというのです。
理由は子どもが生活保護・申請を拒んだから。
家庭の事情
高齢女性は息子夫婦と同居していた時期がありました。
ライフスタイルや考え方の違いで、嫁のなすことすることが気に入らず、イヤミを連発。
近所には嫁の悪口を言いふらし「尻軽女に大切な息子がたぶらかされた」と思い込んで、攻撃がエスカレート。
息子夫婦と同居を解消してからは、親戚の冠婚葬祭で顔を合わせるくらいなのです。
低年金の親に、ずっと援助できるような収入の高い子ども世帯なら問題はないでしょう。
ですが、自分たちの暮らしもやっと。
かといって、親に生活保護は受けさせたくない。
高齢者の貧困は自己責任だ。
そういう意見があるけれど、家庭の内情により生活保護の申請すら、できないケースがあるのですね。
若いときには想像できなかった困難が、高齢になって降りかかったに違いありません。
嫁いびりは近頃はあまり聞きませんが、昔は壮絶。
家族には優しく接し、温かい言葉をかけたいものです。
まとめ
持ち家があっても低年金だと、物価高に対抗できません。
暖房費か食費か。
ギリギリの暮らしが続く。
人生100年・ご長寿の時代、老後こそ格差が拡大することをお伝えしました。
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