2024年6月25日更新しました。
住宅ローンを抱えていると、その間に子どもの教育費がかかったり、思わぬ減収になったり、さらには病気・ケガで休業もあるため、気の休まるときがありません。
私には、住宅ローンの返済に行き詰まった経験があります。
その当時は金利が高く、月々の返済額が17万円でした。
いま、コロナにより住宅ローンの返済に困っている方が急増しているので、私の体験をお伝えします。
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返済が 苦しい住宅ローン
私は、長く住宅ローンの返済に苦しみました。
頭金を500万円ほど用意しましたが、土地代が高かったのと、当時の金利が高かったせいで毎月、自転車操業だったのです。
わが家の誤算は、まず土地を割高な価格で買ったことでした。
土地の価格はあるようで、ないようなものです。
売る人と買う人が折り合えば、売買は成立して法的な書類を提出して、税金の処理をすればよい。
不動産の売買は専門家でないとむずかしいため、仲介してもらうことがほとんど。
わが家が建つ土地は53坪で、当時1,500万円で買うことになりました。
田舎ですから、市道沿いだとしても明らかに割高。
なぜ買ったかというと、夫が立地の良さに惚れ込んだから。
西北の角地で、ほぼ正方形の土地。
持ち主は造園業をいとなむオーナーで、松の木を数本植えてありました。
知人を介して「売ってくれないか」と、交渉に入ります。
「売ってほしい」と頼むので、価格は向こうの言い値(~_~;)
しかも、すぐには首を縦に振りません。
売買が成立するのに、1年以上かかりました。
結局1,500万円も払ったんです。
家はお金を掛けられず、最低限の注文住宅。
それで建物に1,500万円を費やし、総額3千万円がわが家のお値段になりました。
住宅ローンの苦しみ
土地を手に入れた段階で、わが家は住宅ローンを組みました。
2400万円を25年に渡り、返済するつもりだったのです。
夫の兄が建築家で、夫の希望通りの設計図がすでにできていました。
当時、夫は33歳、私が28歳ですでに、ふたりの子どもがいます。
信用金庫から借り入れできましたが、高金利の時代のため住宅ローンの固定金利が7パーセント。
現在では信じられないような金利ですが、その当時はネットがなく、金利の比較ができない時代だったのです。
なにしろポケベルの時代で、パソコンが普及していない頃です。
1992年に着工し、順調に工事は進んで、4カ月後に完成。
引っ越しもぶじに住み、月々17万円の住宅ローンが家計を圧迫しはじめます。
2400万円を25年で返済し、7パーセントの金利のため総額5400万円になるという返済予定表に、いくら若くて無知だった私でも、恐ろしさを感じました。
- 払えなくなったらどうしよう
新築物件に暮らしながら、私の脳内は住宅ローンのことでいっぱい。
なぜなら、夫の連帯保証人に私がなっていたのです(>o<)
子どもの成長とともに、教育費もふくらみ、いつもぎりぎりの家計でした。
それで、家を建てて5年後に他行に住宅ローンを乗り換え。
最終的な金利は2.85パーセントでしたから、やはり高かったですね。
毎月の返済が17万円から11万3千円になり、ほっと一息つけましたが、今度は収入が減りました。
夫の事業には波があり、平成の大不況の時期だったのです。
私たち夫婦は住宅ローンを返済するため、必死に働いても働いても口座の残高はマイナス……。
当時はデフレ経済だったから、借金を抱えていると不利だったのですね。
金融機関に相談した体験
貯金はなく、通帳残高にマイナスがついて、私は金融機関に相談をしたことがあります。
上の子どもが高校を終え、専門学校へ進み、下の子が高校生のときでした。
しかし、そのとき金融機関はけんもほろろ、体よくあしらわれました。
「事業の帳簿と家計を見直して、返済を最優先にしてください。
奥さん、金融機関は慈善事業じゃ、ないんですよ」
信用金庫の副支店長なので、言葉使いはていねいでしたが、内容はそうです。
私は何も言えずに、肩を落として家路に着きます。
家計の見直し
そのときから、家計簿をつけました。
毎月の支出を洗い出すと、明らかにメタボ家計でした。
とくに、生命保険に多額の保険料を払っていたことが判明。
子どもがある程度、大きくなったとき死亡保障を小さくし、終身保険は続けることに。
夫が20歳から加入していたため、俗にいうお宝保険だったのです。
幸いなことに夫の事業はささやかに続けることができ、なんとか生活はできました。
1日3食のご飯を、親子で欠かすことなく食べることができた。
それだけで御の字です。
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コロナによる対応
現在は、わが家が苦しんでいたときとは状況が変化しています。
住宅金融公庫は、相談に応じる姿勢を示しています。
新型コロナウイルス感染症の影響により機構の住宅ローンのご返済にお困りの方へのお知らせ:住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)
また、以前はとても小規模事業主に厳しかったけれど、金融庁が指針を出していました。
ところで、住宅ローンの返済が苦しくても、絶対にしてはいけないことがあります。
- 税金の滞納
- 消費者金融などから借りて、住宅ローンの返済にあてる
国民健康保険税や住民税はとくに滞納すると、土地や家を差し押さえられることがあります。
分割して、少しずつでも払いましょう。
それから、高利貸しから借りて、住宅ローンの返済に充てると、一家離散の序曲がすでに始まっていますから、その前に金融機関に夫婦で何度でも、相談したほうがベストです。
住宅ローンを夫が借りて、妻が連帯保証人のときはたとえ離婚しても、返済の責任は消えません。
夫が返済不能になれば、妻が代わって弁済することになるので、できるだけ夫婦で力を合わせて、完済するのが最もよいでしょう。
持ち家のメリット
わが家が土地を購入したとき、土地価格はピークでした。
それからは地方のせいか、土地の値段がただ下がり。
53坪で1,500万円で買ったけれど、今は1000万円前後の売買価格と感じています。
つまり資産価値が下がったということ。
- 3千万円の物件が28年後に、建物の価値はすでになし。
- 土地と合わせて1000万円以下になったのが、わが家
それでも住んで28年間、ご近所トラブルなく過ごせたことは何よりでした。
住宅ローンを完済したので、抵当権抹消の手続きをしました。
自分で行うと、司法書士に払う分を節約できます。
住空間の価値
私たち夫婦は必死で働いて、住宅ローンを終えたのですが、これがもし賃貸を選択したら、どうでしょう。
持ち家より賃貸の方がお得となるでしょうか。
夫が61歳となった今、家賃を払い続けるのはわが家の場合、厳しい。
理由は居住空間のほか仕事場のスペースが必要なので、賃貸費用が月に10万円以上はかかると思われるからです。
老後も家賃がかかるのは、たいへんではないでしょうか。
暮らしのコストとして、住空間などスペースにかかるお金は、一生分を考えると莫大です。
逆に住空間にお金を掛けないミニマリストが、浮かせるお金も大きい。
ですが、私は最小限主義のミニマリストにはなれない。
夫が元気でいるかぎり、この家を手放すことはないでしょう。
一方、私の娘は親子3人で東京23区内に暮らして、家賃13万円を毎月払っているんですね。
娘もあまり居住空間の質を、落とせません。
テレワークが続くので、娘は家賃が高くなったけれど、戸建ての家に引越して良かったと話しています。
住む場所ばかりは、安ければいいという訳にはいかないでしょう。
まとめ
住宅ローンの返済に困ったときは、金融機関に早めに相談することがポイントです。
私のように鼻先であしらわれ、家計の見直しを本気でしなければならない方もいるでしょう。
それでも、恥を忍んでも何度でも、金融機関に相談したほうがよい。
税金を滞納したり、高利の街金から借りたりすると、さらに事態がのっぴきならなくなるので、冷静になって考えることが大切です。
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